車体に炭素繊維などの先端素材を使い、軽量化と衝突安全性能を追求した東レの電気自動車のコンセプトカー=同社提供 東レは9日、同社の先端素材を活用した電気自動車を試作したと発表した。鉄に比べて重さ4分の1、強度10倍の炭素繊維を多用して車体を軽量化。低燃費で衝突安全性の高い車に仕上げた。今後、自動車メーカーに先端素材の活用を提案し、15年以降に300万円程度での普及を目指す。 完成した車は2人乗りのオープンカーで、重量は900キロ以下。4人乗りの普通乗用車に換算すると、現行の鋼板製の市販車に比べ重さが3分の2になり、走行中の二酸化炭素排出量を1割削減できる。「技術開発で、さらに減らせる余地はある」(同社の田中千秋副社長)という。 必要な部品点数は4分の3に減らすことができたといい、生産の効率化にもつながるとしている。 製作費は約3億円。14、15日に東京都内で開催する東レ先端材料展で一般公開す