漫画家のさくらももこが亡くなった。まだ53歳だったという、その若さにも驚いたし、その若さで亡くなってしまった事実が悲しい。 物心ついた頃から『ちびまる子ちゃん』のアニメは当たり前にそこにあった。 第1期の放映開始は1990年。私は当時2歳で、まる子という女の子や、彼女の家族やクラスメイトたちはまったく自然に、画面越しの友人であった。 アニメを除いて私にとってのさくらももこ作品といえば、『コジコジ』であり『永沢君』であり、『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』のエッセイ群だ。 『ちびまる子ちゃん』の原作は小学校の友達に借りて一通り読んだけれど、上記の作品たちは子供の頃に何度も読み返した。ずいぶんぼんやりとした記憶になってしまった今も、血肉になっている確信がある。 私は心底熱心なファンとは言い難い。成長期にたまたま、いくつかの作品が空気みたいにそこにあった。いつの間にか彼女から