字幕の翻訳:クラゲは海でよく見かける生物だが、海水湖という珍しい湖にもいる。この映像は、インドネシア西パプア州で新たに発見された海水湖で撮影したものだ。海水湖は全方向を陸地に囲まれた塩水の湖。全世界に約200の海水湖があるが、クラゲの存在が確認されているのは20足らずだ。ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーであるリサ・ベッキング氏がインドネシアを訪れ、クラゲが生息する4つの海水湖を記録。どの湖も独立しているため、それぞれが独自の生態系を築いている。また、海より水温と塩分濃度が高いため、将来、気候変動と水温上昇が海洋生物に及ぼす影響を垣間見られる。 ここは熱帯インドネシア。穏やかな水面が日差しを受けてきらめいている。温かい湖に飛び込み、平泳ぎをしていると、触手を持つゼラチン質の生き物が次々と浮かび上がってくる。淡い黄色の体が真っ青な水とコントラストを織り成す。 泳ぎながら辺りを見回
ティラノサウルス類の骨格標本を見る人。モンゴルの首都ウランバートルの博物館で(2016年7月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/Johannes EISELE 【3月23日 AFP】恐竜は130年もの間、その複雑な系統樹の最初の分岐点として「鳥盤類」と「竜盤類」の2大グループに分類されてきた。だが、教科書や古生物学界で疑いようのない事実として説明されてきたこの系統樹を覆す可能性のある「革命的」論文が22日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。 論文の共著者、英ロンドン(London)自然史博物館(Natural History Museum)のポール・バレット(Paul Barrett)氏は「われわれの研究は130年にわたる定説を覆すものだ」と語った。 研究チームが原始的な恐竜の特徴を詳細に分析した結果、竜盤類に分類されるティラノサウルス・レックス(T・レックス)と、鳥盤類に属
これまで思考や推論を伴う「認知能力」がないとされてきた魚類について、大阪市立大理学研究科の幸田正典教授らのグループが、熱帯魚の一種は論理的な思考力を持つことを実験で明らかにし、スイスの生物学専門誌のオンライン版に3日、論文を掲載した。 幸田教授らは、カワスズメ科の熱帯魚「ジュリドクロミス」を使い、「AがBより強く、BがCより強ければ、AはCより強い」という論理的思考ができるか調べた。 ジュリドクロミスは個体識別能力があり、弱い個体は強い個体に対して「逃げる」「体を傾けて震わせる」などの劣位行動を示し、力関係の順位付けをしていることが知られている。 実験では、体長が同程度のオス同士を戦わせ、勝った方をB、負けた方をCにグループ分け。次にBと戦ってAが勝つ様子をCグループの個体に見せた後、CとAをガラス越しに対面させたところ、Cの12匹のうち11匹が劣位行動を見せた。 幸田教授は「魚に
松沢哲郎 霊長類研究所教授、古市剛史 同教授、橋本千絵 同助教、中村美知夫 野生動物研究センター准教授、伊藤詞子 同研究員らとMichael L. Wilsonミネソタ大学准教授の研究グループは、チンパンジーに見られる同種間の殺しが、生息生息地の破壊や餌付けなどの人為的かく乱の結果として表れているものではなく、食物や配偶相手などの資源を得るための雄の適応戦略であることを証明しました。 本研究成果は、9月17日(英国時間)付けにて英国科学誌「Nature」に掲載されました。 チンパンジーに見られる同種殺しが適応戦略として進化してきたものなのか、それとも生息地の破壊などの人為的影響によって現れるものなのかという論争が、長らく続いてきました。この研究は50年以上にわたって蓄積された観察例の分析によって後者の説を否定し、同種殺しが雄による配偶相手や資源をめぐる適応的行動として理解できることを示した
印刷奥の「アイ」が色を選ぶのを見て、手前の「アユム」が自分の前の画面で色を選ぶ=京都大霊長研提供 チンパンジーは、相手をまねるだけでなく、相手の行動の意味を理解して振る舞うことができる。コンピューターを使った課題でそんなことがわかったと、京都大霊長類研究所などのグループが4日、発表した。ドイツの動物認知学専門誌電子版で報告した。 霊長研の松沢哲郎所長らは、雌のチンパンジー「アイ」(実験当時31歳)と息子の「アユム」(同8歳)をそれぞれ別のコンピューター前に座らせて、まず一方が画面に映る2種類の色の四角形のどちらかを選ぶと、続いてもう一方も同じ色を選ぶという課題をさせた。アイは約9割、アユムは約8割、相手をまねて同じ色を選んだ。 さらに、相手が選んだ色に合わせて、自分はその色を表す「赤」や「緑」などの漢字を選ぶといった難しい課題を与えた。アイは約7割正解したが、アユムはできなかった。そ
東京電力福島第1原発周辺の海水で、放射性物質が高濃度で検出され続けているのを受け、東電は1日までに、海藻や魚介類など海の生物の汚染についても調査する方針を決めた。炉心から発生するとみられる汚染水の外部への漏えい源が判明せず、海への放出が止まらないためだ。政府も汚染の広がりを懸念して沖合の調査地点を増やすなど監視の強化に乗り出した。【日野行介、足立旬子】 経済産業省原子力安全・保安院と東電は1~4号機用の南放水口から南に330メートルの地点で3月30日に採取した海水から、法令限度の4385倍にあたる1立方センチ当たり180ベクレルの放射性ヨウ素131を検出。半減期が約30年と長いセシウム137も47ベクレルを検出した。いずれも事故後、最高の数値で、通常は放射性廃棄物として処理される原子炉冷却水とほぼ同じ濃度だった。 ヨウ素は同25日に約1250倍と急上昇した。27~28日にいったん下がったが
東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授らの研究グループは、ショウジョウバエの雄だけに存在する脳細胞が、雌に触ることで興奮し求愛行動を引きおこすことを発見したことを明らかにした。米国の科学誌「Neuron」の2月10日号に掲載される予定。 ショウジョウバエの雄は普通、雌がいないと求愛の動作をしないが、雄だけに存在するP1細胞という名の脳細胞を人工的に興奮させると、ひとりぼっちの雄がまるで雌がそこにいるかのように求愛を始める。 研究グループでは、雄の頭部を固定して脳のP1細胞の活動を蛍光シグナルによりモニタしながら、雄に雌を触らせたところ、触った直後にP1が興奮を起こしたことを発見、P1細胞こそが雄に求愛を始めさせる脳のエロスの源泉であるとの結論を出した。 具体的には、雄はまず前脚で雌の腹部を触り、脚の受容器でフェロモンを感知。続いて片翅を振るわせてラブソングを発し、雌の交尾器をなめるリッ
鳥の前脚(翼)の指は恐竜と同じ構成でできていたことが、東北大の田村宏治教授らのグループの研究でわかった。恐竜から鳥に進化したとする説を証明する決定打と言える成果だ。米科学誌サイエンス(電子版)に11日、発表する。 恐竜の指は、化石の分析などから、薬指と小指が退化して親指からの3本が残ったとわかっている。古生物学的には鳥類の指も形態が似ており恐竜起源説が有力視された。 一方、発生学的には鳥の前脚にあたる翼の骨にある指は、指の原形ができる位置などから人さし指、中指、薬指の3本と考えられていた。古生物学と発生学の見解の違いから恐竜起源説が有力なものの長年、断定できずにいた。 田村教授らはニワトリの卵で、受精後3日〜3日半の時点から発生の過程や遺伝子の働きなどを調べた。ニワトリの翼の指は発生初期、人さし指、中指、薬指の位置にそれぞれの原形になる細胞の固まりがあり、これがそのまま指になったと考
19世紀に書かれたAndrew Dickson White [1832-1928]によって書かれた科学と神学の戦いについての本から、予防接種および麻酔の導入に抵抗したキリスト教についての記述。 保守的キリスト教徒たちは「神が人間を罰するために送った天然痘を回避するのは神へ叛逆」や「出産に麻酔を使うのは、産みの苦しみを与えた神への叛逆」というラインで予防接種や麻酔に抵抗した。 Andrew Dickson White [1832-1928]: "A History of the Warfare of Science with Theology in Christendom"(1896) -- Chapter XIII From Miracles to Medicine -- X Theological Opposition to Inoculation, Vaccination, and t
「使命感で現場が奮い立った」羽田の飛行機炎上、ヒーローはJALだけじゃない JR、ANA、スカイマーク…ライバルが交通インフラを支えていた
湿った土の中に生息する微生物・粘菌の一種が、餌としている細菌を増やす「農業」を営んでいることを、米ライス大の研究グループが突き止めた。 シロアリの仲間がキノコを栽培する例はあるが、粘菌のような微生物で報告されたのは初めて。20日付の英科学誌ネイチャーで発表した。 この粘菌は、普段は単細胞生物として活動しているが、周囲に餌となる細菌が少なくなると、数万〜数十万の個体が集合。ナメクジ状の形になって別の場所に移動し、子孫となる胞子を作る。この際、粘菌は食べ残した周囲の細菌を体内に取り込み、胞子を拡散させる時に細菌も一緒にばらまいていることが分かった。 無菌状態の培養皿で調べたところ、細菌は胞子の周辺で増殖。胞子から生まれた粘菌はこの細菌を食べて、成長することができた。収穫物である細菌の一部を「種」として残しておき、生産にまわすことから、研究グループは「原始的な農業」とみなしている。
金星を回る軌道への投入に失敗した宇宙航空研究開発機構の探査機「あかつき」は、エンジンの噴射口が割れて大部分が脱落した可能性が新たに出てきた。 燃料が正常に供給されずに異常燃焼が起き、噴射口が過熱して破損したと宇宙機構ではみている。噴射口の大部分が脱落していれば、進む力は低下するがまっすぐ進めるため、6年後の軌道投入に望みが出てくるという。 宇宙機構の分析では、探査機はエンジン噴射から2分32秒後に姿勢を崩し、まっすぐ進む力も低下した。しかし直後に、その力を取り戻している。 このデータをもとに専門家らは、まず高温燃焼でできた噴射口の亀裂からガスが噴き出して姿勢が崩れ、その亀裂がさらに進んで最終的に噴射口の大部分が脱落したと推定している。
黄砂飛来、空気中のカビや細菌5倍に 金沢大調査2010年12月2日14時0分 印刷 ソーシャルブックマーク 黄砂が飛んで来ている時には、空気に含まれるカビや細菌などの微生物が、黄砂がない時の5倍多いことが、金沢大グループの調査でわかった。種類も通常時とは異なっていて、黄砂とともに中国大陸から渡ってくるとみられている。黄砂は肺の病気やアレルギー発作などに影響する可能性が指摘されており、グループは採集条件を変えて詳しく調べる。 グループは黄砂が来た2008年5月と、来ていなかった09年4月に、石川県珠洲市の上空約800メートルの空気中から微生物の破片を採集。遺伝子を手がかりに比べたら、黄砂時には約5倍の濃度で微生物がいた。確認できた種類は、黄砂時に20種余り。来ていない時に見つかった9種とはすべて別のものだった。 黄砂の影響を巡っては、京都大などのグループが小児ぜんそくの発作の危険性が高くなる
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