「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」と書いた論文を公表した田母神(たもがみ)俊雄(前)航空幕僚長が定年退職した。 本人は、昨日の記者会見でも「国家国民のためという信念に従って書いたもの」と述べているくらいだから、自ら引責辞職する可能性はない。かといって、田母神氏の行為が、公務員としては最も重い処分である懲戒免職に該当するかと言えば、これも無理がある。 で、やむを得ず「定年退職」にしたのだろう。 これ自体は、政治判断としては妥当だと思う。 ところで、中国や韓国が「侵略戦争を美化した」と田母神論文を批判している。ほんとうにそうだろうか。 今日は、そのあたりに言及してみたい。 私は、11月1日のエントリで「田母神氏の主張に100%同意するものではない」と書いた。それは、今の価値観からすれば、満州事変や日支事変は「侵略」と言えるからだ。 「侵略」とは、辞書によれば「他国に攻め入