2011年3月11日に発生した東日本大震災では、陸上自衛隊の被災地で活動していた部隊が最もメディアに大きく取り上げられた。とはいえ、こうした“主攻”が活躍するには“助攻”や“後詰め”が重要になることはいうまでもない。今回はこうした部隊の活動に焦点を当てることにし、まずは“後詰め”。首都防衛を担う陸自第1師団は東北への大規模な部隊派遣をしていなかったが、どんな活動をしていたのか。師団長の中川義章陸将に聞いた。(肩書、階級とも当時) 午後2時46分の発生時、中川氏は練馬駐屯地(東京都練馬区)の師団長室で副師団長の小林英彦陸将補、幕僚長の武政賢一1佐と新年度の業務計画の打ち合わせをしていた。そこに大きな揺れ。 「瞬間、首都直下地震がついに来たと思った。毎年初詣で『首都直下がどうか起きませんように』とお祈りしていたぐらい大きな心配事になっていただけに、とっさにそう思ったんです」 中川氏は2009年