川崎市幸区の老人ホームで2014年11~12月、入所者3人が転落死した事件。今年2月、元職員の男性(23)が少なくとも1人の入所者を殺害した容疑で逮捕され、安泰な老後を望む多くの人に衝撃を与えた。介護の現場で何が起こっていたのか。様々な職場で悩む人たちの声を長年聞いてきた労働ジャーナリストの金子雅臣さんは、「仕事上の思いやりや共感、尽くす気持ちが罵倒され、なじられることで摩滅していく“感情労働”職場」の存在を指摘、そうした職場がはらむ危険に警鐘を鳴らす。 まさに起きてはならない事件が起きてしまったというのが、川崎の有料老人ホームの殺人事件である。まだ、全容が解明されたわけではないが、これからの捜査で一体どこまで事実が明らかになるのであろうか、本当にこの事件の闇は解明されるのだろうか。多くの人たちの関心は、捜査の行方に寄せられていくであろう。 しかし、一方で、多くの人たちが、こんな事件がいつ