人気の格闘ゲーム「鉄拳」の世界大会で今年2月、無名のパキスタンの若者が優勝する「番狂わせ」が起きた。優勝後に「パキスタンには強い選手が、まだまだいる」と言って業界を騒がせた彼を、パキスタン東部のゲームセンターでインタビューすると、「道場破り」とも言える特訓方法や「借金」に苦しんだ過去、知られざる猛者たちのエピソードを語ってくれた。 ゲームセンターを「はしご」 福岡で開かれた世界大会を制したのは、パキスタン東部ラホール出身のアルスラン・アッシュさん(23)。実家近くのゲームセンターで待ち合わせると、日暮れ前、眠たそうな目をこすりながらTシャツ姿で現れた。優勝後に日本や韓国などから招聘(しょうへい)試合の申し込みが相次ぎ、慣れないビザ申請に追われているのだと語った。ゲームセンターのソファに腰掛け、フライドポテトをかじりながら、話を聞いた。 Q:いつごろ格闘ゲームを始めたのですか? A:12歳の