レモンド米商務長官は8日、中国が台湾に侵攻し半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)を掌握すれば、米経済にとって「間違いなく壊滅的な」ものになると述べた。2023年3月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic) [ワシントン 8日 ロイター] - レモンド米商務長官は8日、中国が台湾に侵攻し半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW), opens new tabを掌握すれば、米経済にとって「間違いなく壊滅的な」ものになると、米下院公聴会で述べた。
台湾外交部(外務省)は4日、東部沖で3日発生した地震に国際社会から心配の声が寄せられていることに中国の耿爽・国連常駐副代表が謝意を表したことを批判、国際社会の認識を操作するために地震を利用するのは「恥知らず」だと抗議した。被害の大きかった花蓮県で4日撮影。(2024年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins/ File photo) [台北 4日 ロイター] - 台湾外交部(外務省)は4日、東部沖で3日発生した地震に国際社会から心配の声が寄せられていることに中国の耿爽・国連常駐副代表が謝意を表したことを批判、国際社会の認識を操作するために地震を利用するのは「恥知らず」だと抗議した。 中国の国連代表部のウェブサイトによると、耿爽氏は子どもの権利に関する会議で、別の講演者が「中国の台湾」で起きた地震に言及したと指摘。中国は被害状況を懸念しており、台湾に哀悼の意を表し、支援を申し出
「頼清徳さんの勝利を祝って、カンパーイ!!」 私の目の前に、一斉にビールジョッキが差し出された。一瞬逡巡して周囲を見回したが、店内に他の客はあまりおらず、近くにいる台湾人は私の連れのO君だけだ。ここはやむを得ない。私は表情筋を笑みの形に変え、ジョッキを掲げておくことにした。 台湾総統選が実施された1月13日夜、台北市内の話である。私は日本人の知人から夕食に誘われ、取材現場を離れて約束の店にやってきた。すると、現場には主に保守系の日本人15人ほどが集まり、民進党陣営の勝利を祝っていたのだ。 1月11日、台北の総統府前で開かれた頼清徳陣営の造勢活動(選挙集会) ©安田峰俊 著名なジャーナリストや尊敬する同業者の方もおられた場なので、この宴会自体の是非は論評しない。ただ、海外の選挙の開票当日にわざわざ現地に渡航して、志を同じくする日本人同士で集まり(私の友人のO君を除いて現地人は誰もいない)、現
1月10日、私は台湾の「第三極」民衆党の総統候補だった柯文哲の選対本部を訪れていた。若者や子育て世代からの人気が高い柯文哲らしく、選対本部の壁には支持者がマジックペンで書いた応援メッセージや、子どもが描いた絵がびっしりと貼られていた。中華圏の学生運動の現場や、若者の支持者が多い候補者の拠点ではよく見られる光景だった。 それらを順番に眺めていた私は、ある張り紙の前で足を止めた。台湾と同じ繁体字が使われているものの、明らかに國語(中華民国の標準中国語)ではない言葉──。つまり、口語体の広東語で書かれていたのだ。しかも、かつて2019年の香港反体制デモの現場でしばしば見かけたような、粗口(チョウハウ:卑語)だらけの荒々しい殴り書きである。 柯文哲事務所で見つけた香港人の手書きの張り紙。他の紙はポジティブな応援メッセージばかりなのに、この紙の内容だけはまがまがしい ©安田峰俊 「オレは香港人だ!
(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長) 2月24日にTSMC熊本工場が開所式 2021年10月に発表されたTSMC熊本工場の開所式が今年2024年2月24日に行われる(日本経済新聞、2023年12月11日)。この工場では今年末までに、12インチのシリコンウエハで月産5.5万枚の規模で、28/22~16/12nmのロジック半導体が生産されることになっている。総工費は86億ドルで、その約半分の4760億円を日本が補助金として支出する。 また、前掲の日経新聞には、6nmの先端半導体を生産する第2工場が計画されていることも記載されている。この第2工場は、今年4月に建設着工し、来年2025年に建屋が完成、翌2026年末までに生産が開始される見通しである。そして、日本からは7500億~9000億円もの補助金が支出されると報道されている。ということは、TSMC熊本工場には、合計で1.
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13日に投票が行われた台湾の総統選挙で、与党・民進党の頼清徳氏が550万票を超える票を獲得し、野党の2人の候補者を破って当選しました。台湾で1996年に総統の直接選挙が始まってから初めて、同じ政党が3期続けて政権を担うことになります。 一方、同時に行われた議会・立法院の選挙では民進党が過半数を維持できず、5月に就任する予定の頼氏は難しい政権運営を強いられることになりそうです。 4年に1度行われる台湾の総統選挙には、与党・民進党から今の副総統の頼清徳氏、最大野党・国民党から現職の新北市長の侯友宜氏、野党第2党・民衆党から前の台北市長の柯文哲氏のあわせて3人が立候補しました。 投票は13日に行われ、即日開票の結果、 民進党の頼清徳氏 558万6019票、 国民党の侯友宜氏 467万1021票、 民衆党の柯文哲氏 369万466票で頼氏が当選しました。 投票率は71.86%で、前回4年前より3ポ
特集「緊迫 台湾情勢」の他の記事を読む 台湾の総統選挙まで残すところあと2日。同日には立法委員(国会議員)選挙も行われ、それぞれの結果はアジア太平洋地域の今後4年にわたって大きな影響を与える。 現状、総統選挙では民進党の頼清徳候補がリードする。国民党の侯友宜候補は12月末まで追い上げていたものの、最終盤で伸び悩んでいる。このままいけば、頼氏が逃げ切って民進党政権が台湾の民主政治史で初めて、同一政党が連続3期、政権を担うことになるだろう。 一方、立法委員選挙で民進党は苦戦しており、立法院(国会)での過半数割れは必至である。ただ、国民党も単独過半数はとれない見込みだ。 2大政党はどちらが議会第1党となるかを競り合っているが、第3政党の柯文哲氏が率いる台湾民衆党が立法院でキャスティングボートを握る立場になるとみられる。 日本の一部にある国民党への不信と期待 過去8年間は民進党が立法院でも単独過半
中国国務院台湾事務弁公室の宋濤主任は2日、新年の辞で、台湾住民に「平和的統一」プロセスの推進を呼びかけ、それが台湾海峡両岸の人々の共通の願いであると述べた。写真は中国と台湾の旗。2022年8月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic) [台北 2日 ロイター] - 中国国務院台湾事務弁公室の宋濤主任は2日、新年の辞で、台湾住民に「平和的統一」プロセスの推進を呼びかけ、それが台湾海峡両岸の人々の共通の願いであると述べた。 台湾では1月13日に総統・立法委員(国会議員)選挙が行われる。 習近平国家主席は12月31日の演説で、中国と台湾の「統一」は必然だと述べた。 もっと見る 宋主任は「母国はいずれ再統一される。必然的に再統一される」と述べ、それが両岸の人々の共通の願い、共通の使命であるとした。 さらに台湾の人々が「両岸関係が平和的発展の正しい軌道に戻るようにし、祖国の平和的統一のプロセ
台湾の蔡英文総統は、中国の習近平国家主席が「祖国統一は歴史の必然だ」と述べたことについて「中国とどのような関係をつくるかは、われわれの民主的な手続きを経て最終的な決定がなされるべきだ」と述べ、習主席の主張をはねつけました。 台湾の蔡総統は1日、総統府で新年の談話を発表しました。 この中で蔡総統は、軍事的な圧力を強める中国に対して「平和には善意を要するが、それ以上に実力を要する。自衛の決意を示すことこそが、国際社会が共同で台湾と台湾海峡の平和と安定を守る上での最も重要な支えだ」と述べ、防衛力増強を続ける必要性を強調しました。 その上で中国との間で「できるだけ早く健全で秩序ある交流を回復したい」と述べるとともに、対等な対話で、長期的・安定的な平和共存の道を探りたいという立場をあらためて示しました。 このあと蔡総統は、記者の質問に応じ、中国の習主席が新年の演説で「祖国統一は歴史の必然だ」と述べた
中国の習近平国家主席は、新年の演説で総統選挙の投票日まで2週間を切った台湾について「祖国統一は歴史の必然だ」と述べ、統一に向けた意欲を改めて強調しました。 中国の習近平国家主席は31日夜、国営テレビなどを通じて国民に向けた新年の演説を行いました。 この中で習主席は、台湾について「祖国統一は歴史の必然であり、台湾海峡両岸の同胞は手を携え、心を合わせ、民族復興の偉大な栄光を分かち合うべきだ」と述べました。 台湾では、今月13日に4年に1度の総統選挙の投票が行われる予定で中国との関係が大きな争点となるなか、習主席は統一に向けた意欲を改めて強調した形です。 一方、中国では不動産市場の低迷の長期化や厳しい雇用情勢を背景に景気の先行きに不透明感が広がっていて、習主席は「子どもの扶養と教育、若者の就職と成功、高齢者の医療と介護は家庭とともに国家の大事だ」と述べ、問題の解決にあたる姿勢を示しました。 ただ
台湾の記者が中国共産党の当局者の指示を受け、1月投票が行われる総統選挙についての偽の世論調査の記事をネットで報じた疑いが強まり、台湾の検察は22日、この記者の身柄を拘束しました。 台中地方検察署の調べによりますと、この記者はことし10月以降8回にわたり、台湾総統選挙についての世論調査の結果だとする記事を複数のネットメディアで報じたということです。 調査はこの記者が別の人物に委託して、台湾の北部、中部、南部でそれぞれ300人以上の有権者を対象に面接や電話で行ったことになっていましたが、実際には調査は行わず、候補者の支持率などをねつ造していたということです。 検察は、この記者が台湾の対岸にある中国・福建省の共産党委員会の当局者から指示を受け、総統選挙で特定の候補者を当選または落選させる意図でうその情報を流布した疑いが強まったとして、きのう身柄を拘束しました。 台湾の情報機関、国家安全局のトップ
これまでに多くの人が半導体受託製造世界最大手の台湾企業、TSMCの日本進出について解説してきた。ただ、「九州の電気代が安いから」「地元の誘致政策の成果」「くまモンがかわいいから」など首をかしげる内容も多い。今回は公開情報からその背景を解説する。 TSMCの日本最大顧客はソニー TSMCの2022年売上高は2兆2523億台湾ドル(約10兆6000億円)である。前年比44%増というすさまじい成長だ。その中で日本向けは地域別増加率で最大である66%増だが、TSMC全社売上比での割合は5.3%に過ぎない。 TSMCの地域別売上で最大なのはアメリカで、全社売上の66%を占める。一部にはアメリカで半導体ファブ(工場)を作るのが理にかなっているとの意見もある。確かに以上の事実だけ見れば、売上高5%前後に過ぎない日本にTSMCが進出したことに首をかしげる方は多いだろう。 しかし、この5%の売上高の半分以上
Published 2023/12/09 21:02 (JST) Updated 2023/12/09 22:55 (JST) 【北京共同】中国軍のシンクタンク軍事科学院の何雷・元副院長(中将)が9日までに共同通信の単独インタビューに応じ、沖縄県・尖閣諸島を巡り「戦争を望まないが恐れない」と明言した。台湾武力統一に踏み切った場合、尖閣を同時に作戦対象とする可能性にも含みを持たせた。軍関係者が尖閣を巡り「戦争」に言及するのは異例だ。将来的な領有権奪取の強い意志が鮮明になった。 同シンクタンクは人民解放軍に政策提言している。何氏は2012年の日本の尖閣国有化を批判し、日本側の「挑発」が続けば「中国は国家の領土と主権、海洋権益を断固守る」と強調。「中国軍の国家主権、安全、領土の一体性を守り抜く強い意志と決意、強大な力を日本は見くびってはならない」と警告した。 日中関係が不安定化する要因について、
台湾積体電路製造(TSMC)の工場建設が日本で始まってから、地元の熊本県菊陽町は賃金や地価の高騰、人材不足など、さまざまな問題に直面しているという。世界的な半導体製造企業の進出は、最低賃金が日本で4番目に低い熊本県の経済をどう変えるのか。現地を取材した英紙は、「菊陽町の変化は、日本が抱える課題の縮図だ」と指摘する。 熊本県菊陽町で始まった新たな時代を、地元の人々は「TSMCショック」と呼ぶ。 2022年4月、半導体受託製造の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)が日本国内初となる工場の建設を開始した。以来、この小さな町とその経済は劇的に変化しつつある。 吉本孝寿・菊陽町長は本紙の取材にこう語る。 「TSMCの到来は寝耳に水でした。菊陽町が突然、有名になってしまって、まるで私たちの町が赤ん坊から急に大人になったようです」 「TSMCショック」は日本の課題の縮図 半導体の供給をめぐる地政学的
(CNN) 単純に言えば、米国にとっては無理な話だ。せっせと2つの大規模な戦争を支援しつつ、3つ目が起きる可能性に備えることなどできはしない。それは厳しいが全くもって避けられない現実であり、ここへ来て一段と、痛々しいまでに明確なものとなりつつある。それこそ時間単位の変化として。 米国の軍需産業の基盤は、既に限界までフル稼働している。原因は現行のウクライナでの戦争で、どうやらロシアはこれを無期限で続けるつもりらしい。同国がウクライナに侵攻してもう1年8カ月だが、その前でさえ米国が超大国として能力以上の役割を負っているのではないかという疑問は浮上していた。 今はイスラエルが戦争状態だ。米国にとって近しい同盟国であり、バイデン政権は既に支援を約束している。しかもこの対立の範囲は拡大する恐れがある。イスラエルのネタニヤフ首相はパレスチナ自治区ガザ地区を封鎖し、侵攻すると脅迫。実現すれば今度はイラン
日本と自衛隊が抱える課題 日本政府は今年(2023年)1月、防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%に増額することを決めた。特定の官庁の予算が、これほど短期間のうちに二倍近くになった例は戦後初めてのことだろう。昨年12月には、防衛力強化に向けた「国家安全保障戦略」など三つの文書が改定され、反撃能力を含む防衛力の抜本的強化を実施していくこととなった。 いずれも、戦後日本の防衛政策における大転換といえる決断といっていいだろう。政府だけでなく、危機感をもっていた国民のあいだにも安全保障に対するある種の安心感が生まれつつあるように見える。だが、はたしてこれだけでよいのだろうか。 今回の防衛費増額においては、「総合的な防衛体制の強化に資する経費」という新たな概念が打ち出されたのが特徴といえよう。防衛費以外の予算――たとえば、海上保安庁予算(国交省)、防衛に役立つ研究開発費・公共インフラ整備費
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