神の一手に最も近いのは、人間か、AI(人工知能)か──。盤上ゲーム、もっと広く言えば頭脳ゲームにおいて、人間とAIの関係はたびたび注目を浴びる。 チェスではすでにAIが人間を超えたとされており、将棋ソフトもトップ棋士たちに勝ち越すほどの実力を持つまでになった。まだ完全解析は不可能と言われていた囲碁の世界でも、Google DeepMindが開発した囲碁用AI「AlphaGo」がトップ棋士イ・セドルに4勝1敗で勝ち越したことも記憶に新しいだろう。 もう、頭脳ゲームで人間はAIに太刀打ちできないのか。プロポーカープレイヤーの木原直哉さんは、「人間に得手不得手があるように、AIにも得意分野と苦手な分野がある」と語る。ポーカーの世界について話を聞きつつ、「頭脳ゲームにおける人間とAIの関係」を考えていきたい。 木原直哉さんプロフィール 1981年生まれの北海道出身で、2001年に東京大学理科一類に