ステージ4のがんになった緩和ケア医は何を思うのか 「病院で死ぬということ」の著者山崎章郎さん、15年前に自宅で母親をみとった筆者が訪ねた 人生の最期を自宅で迎える人が徐々に増えている。15年前に筆者(40)は、乳がんだった母を家族と共に自宅でみとった。当時在宅で診療してくれた緩和ケア医が、今はステージ4のがんと診断されながらもライフワークの診療を続けていると知った。心境を聞きたいと訪ね、改めて在宅で母をみとった意味を考えてみた。(共同通信=星野桂一郎) ▽患者が主役なのに治療の決定権がないのはおかしい 終末期医療に長年携わる緩和ケアの第一人者の山崎章郎医師(75)は、東京都小金井市にある「聖ヨハネ会桜町病院」で、当時と変わらない優しいまなざしで迎えてくれた。闘病中の影響だろうか、やや痩せた印象だ。 山崎さんは1975年に千葉大医学部を卒業し、当初大学病院などで外科医として勤務していた。病名