首相・安倍晋三は、東日本大震災に関し「東北で良かった」と発言した今村雅弘を即刻、更迭した。幹事長・二階俊博は「いきなりですよ、いきなり」と言って不満たらたら。しかし、発言からわずか4時間で後任決定までいたったスピーディな危機管理に、長期政権を維持する秘訣が隠されている。 発言から1時間後に更迭決断 今村は、ホテルニューオータニで開かれた二階派のパーティーで講演し、「これはまだ東北で、あっちの方だったから良かった。これがもっと首都圏に近かったりすると、甚大な被害があったと思う」と発言した。これが4月25日午後5時20分ごろだった。 この時間、首相官邸では、安倍や官房長官・菅義偉も出席して経済財政諮問会議が開かれていた。諮問会議は午後5時18分から同6時7分まで開かれ、安倍や菅はこの会議の終了直後に、今村発言を知った。菅の元に、首席首相秘書官・今井尚哉から「至急、総理と会いたい」との連絡が入っ