中国のゼロコロナ政策の行き詰まりが、世界の金融・株式市場を揺さぶっている。いま習近平体制が直面するのは、以下の深刻な矛盾である。中国の感染症研究の第一人者・鍾南山氏は4月6日、ゼロコロナ政策は「長期的に続けることはできない」とする論文を発表した。王様は裸だと告げるこの論文はSNSに拡散し、当局は消去に大わらわとなっている。経済活動とコロナ対策の両立に転じようにも、問屋が卸さない事情がある。ゼ
専制と民主、どちらの対策が有効か 新型コロナウイルス(COVID-19)のまん延とその対策について、昨今の中国では「これは専制と民主のどちらが優れた政治体制か、判断する絶好の機会だ」といった趣旨の議論が出てきている。言うまでもなく、中国と日本の感染対策を比較してのことである。 中国では発生地の武漢を含む湖北省を除けば、感染拡大の抑制にほぼ成功しつつあるかに見える。中国国内では積極論が勢いを増しており、街には活気が戻りつつある。それにともなって逆に関心を高めているのが日本での感染の広がりだ。日本社会の危機意識の薄さ、根拠なき(と中国人が感じる)楽観に中国の人々は驚き、中国と日本の政治体制の違い、人々の行動様式の違いの比較といったあたりまで話題は広がりつつある。 一言でいえば、人々の「社会不信」「他人不信」を管理すべく、専制政治、「監視国家」路線を取る中国と、少なくともこれまでは社会の信頼感や
「おどろきの中国」という言葉があるが、外国人を選別する極めつきの制度が、4月から始まる。北京でも上海でも、日本人駐在員たちは、前代未聞の措置に右往左往。スモッグの街からレポートする。 現地法人社長も「Cランク」 「たしかにオレは、もうすぐ定年だし、中国語もからっきしできない。大学も私学出だ。 だがここでは一応、日系企業現地法人の総経理(社長)だよ。それなのに自分の点数を算出してみたら、Cランクの国外追放対象。しかも一緒に日本から来てる若い部下は、Bランクで許可されるって言うんだから、納得いかないよ」 PM2・5が500近くに達し、昼なんだか夜なんだかよく分からない北京の日本料理店街「好運街」の一角。いまはやりの「燕京白生ビール」のジョッキを呷りながらボヤくのは、東京に本社がある中堅メーカーから北京に派遣されている駐在員だ。同席した別の日本人駐在員も憤る。 「中国で外国人が駐在員ビザを取るに
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