路上にとどまる女性たちの「意志」とは何か? 女性ホームレスの生活史から、女性が貧困に陥る過程を浮き彫りにし、福祉制度や研究が前提にしてきた人間像を問い直す。 2013年刊行の第33回山川菊栄賞受賞作に、著者による付録「貧困女性はどこにいるのか」と岸政彦氏による解説「出会わされてしまう、ということ」を収録した増補新装版。 …………… たくましいでもかわいそうでもなくただ、人びとの行為には、生活には、そして人生には 「理由がある」のだ。 いま現在人びとがおこなっていることの理由を、人びと自身の言葉を通じて描く。 丸山里美が目指して、そして見事に成功した本が、本書である。 この本を読むと、ただもう、人びとはそこで生きているのだな、という深い感動をおぼえ る。 丸山の著作に登場する人びとには「顔」がある。 私はこの本を何度も何度も読んだが、エイコさんやタマコさんと、まるで知り合いのよう な気がして