◆ベトナムの奮闘 チベット騒乱をよそに、1面コラム「くにのあとさき」で、中国がベトナム東部のトンキン湾では「中間線を主張していた」と書いた。すると、そんなフトドキな話は、もっと詳しく報告せよと読者から注文をお受けした。 それはもっともな話で、中越の重要協定が決められたものの、公表されたという話を聞かない。一部の国際法学者はともかく、一般には意外感が強いのだ。 そこで、まず掲載図を見ていただきたい。トンキン湾は東から中国の海南島が食い込んできて、「く」の字に曲がっている。ベトナムの主張は、海南島近くに海溝があるから湾全体がベトナムの大陸棚にあたるというものだ。 まるまる自国の海だというところなど、日中交渉でうそぶく中国とそっくりではないか。東シナ海の沖縄近くに海溝(沖縄トラフ)があるから、全部が中国の海だという理屈である。 ただ、ベトナムは初めに高値を設定し、値切り幅を少なく抑えるバザール商