今回賞を取った『あたし彼女』と、瀬戸内寂聴の書いた『あしたの虹』を読了。『あたし彼女』はケータイ小説文体としては更に進化して改行の嵐、小説と思って読むとクラクラくるが、ケータイだと意外と読みやすい。『あしたの虹』はセンテンスを切り詰めてはいるけど、文章は読みやすく描写もストーリーもしっかりした普通の小説。 ケータイ小説って『あたし彼女』のように自伝的要素が強い作品が多いが、ひたすら新人を使い捨て続けるのか、ケータイ小説作家って職業ができるのか気になる。とか1年半前に同じことを書いてたね。そういった意味じゃ瀬戸内寂聴がケータイ小説に参入したって面白い。 新人の自伝ばかり拾い上げている間は過激でも陳腐だったのが、遠からずケータイ向けのフォーマットで濃い作品が増えるかも。漫画だって最初は娯楽だったのが原作者に厚みができて次第に社会性を帯びた作品が増えたし。伝えたければ、伝わる媒体を選ぶよね。文章