17日、米海軍横須賀基地配備のイージス駆逐艦ラッセンの艦長H・B・レイさん(40)が艦長交代式に臨み、退任する。米海軍で初めてのベトナム系アメリカ人艦長。それも、5歳だった1975年4月に、ベトナム戦争末期の陥落するサイゴンからトロール漁船で逃げ出した難民の一人だった。 昨年11月、ラッセンがベトナムに親善寄港した。レイさんが故国に足を踏み入れたのは難民としての出国以来だった。「故郷はどうか」「誰に会いたいか」。寄港した岸壁で30人近い地元や欧米のメディアから矢継ぎ早に聞かれたが、レイさんがベトナム語をあまり話せないのを知り「ちょっとがっかりさせてしまったみたい。34年前、出国した時はほんとうに小さかったから」。生まれ故郷の中部都市フエに足を伸ばし、叔母ら親類との再会も果たした。 8人兄弟の6番目。米国に出国できたのは南ベトナムの海軍士官だった父と母、下の4人兄弟だけで、上の4人の兄姉