小さな振る舞いからできた街、新陳代謝する都市 fig.1──西成活裕『渋滞学』 塚本由晴──西成活裕さんの著書『渋滞学』(新潮選書、2006)[fig.1]や『無駄学』(同、2008)などを拝読して、われわれの活動にも共通するいくつもの興味深い思索をされていることを知りました。ぜひお話をうかがいたいと思っていましたので、本日はよろしくお願いいたします。 西成活裕──こちらこそよろしくお願いいたします。『空間の響き/響きの空間』(INAX出版、2009)を楽しく拝読しました。私もこういう視点から建築をしている人がいるんだと、興味深く今日を迎えました。 まずはアトリエ・ワンにほかの建築家と違うところがあるとすれば、それはどういうところだと分析していますか? 塚本──ふだん考えていることを交えてお話します。東京で建築を設計するということは、ヨーロッパで建築を設計するのとは異なって、都市と建築の対