東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)ではにわかに脱原発が争点化しつつあるが、国を挙げて取り組む2020年東京五輪の準備を開催都市としてどう進めるかも大きな争点だ。東日本大震災からの復興を掲げる五輪として、競技会場の整備工事は被災企業に優先発注する計画だが、被災地では人材も資材も不足。五輪と復興の“2つの国策”のバランスをどう取るか。政府とともに新知事がそのかじ取りの一端を担うだけに、議論が置き去りになってはならない。 「職人と資材の奪い合いが続いている」 仙台市の建設会社「深松組」の深松努社長(48)は、被災者用の復興住宅や防潮堤などの建設で沸く同市内の現状を語った。 生コンクリートは通常、資材会社の運搬車両が工事現場まで届けてくれるが、自前で1台につき1日約5万円支払って車両をリースし受け取りに行く。それでいて手に入るのは必要量の半分ほど。原材料の砂利が「足りていない」(深松さん)