産総研活断層・地震研究センター長として研究に取り組む岡村氏 「貞観(じょうがん)地震というものがあり、津波は塩屋崎沖地震とは比べものにならない非常にでかいものが来ている。全く触れられていないのはどうしてなのか」 平成21年6月24日、東京・経済産業省別館で開かれた総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会のワーキンググループ会議。東京電力福島第一、福島第二原子力発電所の耐震安全性評価を議論した。 委員の岡村行信(57)=産業技術総合研究所(産総研)活断層・地震研究センター長=は、原発を建てる際などに想定する最大の揺れの強さ「基準地震動」に対する東電の主張に異議を唱えた。 ■塩屋崎沖 東電は基準地震動の検討対象を考えるに当たって、原発に大きな影響を与えるプレート間地震として昭和13年の塩屋崎沖地震を想定していた。 一方、産総研は平成16年から貞観地震を調査し、本県沿岸部にも痕跡を確認してい