厚生労働省が先日、引きこもりの人や家族を支援する「ひきこもりサポーター」を育成し、派遣する事業を発表した。社会福祉士など専門の相談委員の家庭訪問に加えて、ひきこもり経験者やその家族などをサポーターとして派遣し、学校や職場への復帰を後押しするとのことだ。 ついに国が動き始めたひきこもりの社会復帰支援。果たして、その難しさとはいったいどのようなところにあるのだろうか? 厚生労働省の取り組み以前から、ひきこもりや不登校家庭への訪問サポートを行っているNPO法人不登校情報センター理事・訪問サポートトカネット代表、藤原宏美氏に話を聞いた。 「まず、ひきこもりの対応で大切なのは『何をもってゴールと考えるか』です。もちろん、学校や仕事などに復帰することが何よりだという考えもありますが、『ひきこもり』という問題はそう簡単ではありません。学校や働く以前に、他人と話すことやコミュニケーションを取ることすら出来