注)女性の方はそのままお読み下さい。男性の方は女性になったと仮定してこのnoteを読んで頂けるとよりお楽しみ頂ける作品となっております。なかなかの長編仕立てになっております。休憩しながらゆっくり読んでいただけたらうれしいです。 さて、まずはじめに皆様に1つだけ質問があります。 あなたは女性です。 洋服を買いに行った時、デブでブサイクの男性店員に接客をされたらはたしてどう思うでしょうか。みなさん、どう思いますでしょうか?人間は中身だよねという意見もあるかと思いますが、ぼくならこう思います。 「絶対に話しかけるな」と。 しかし大学生の頃、デブでブサイクな僕は※ユニセックスのアパレル店でアルバイトをしてしまいました。理由は簡単です。モテたかったんです。アルバイトはアパレルで店員してるよ。って大学の友達に言いたかったんです。承認欲求を満たしたかったんです。そうです、僕は大学デビュー組です。 ※ユニ
財務省という組織が、ここまでの一連のやりとりを通じて露呈したダメージコントロールのダメさ加減を主題にすれば、それはそれで一本の原稿になるだろうとは思う。麻生財務大臣の発言傾向を政権時代にさかのぼって時系列で検討してみれば、それもまたそれなりに下品ながらも面白いテキストができあがることだろう。 とはいえ、そのあたりのことをネタに、私が小器用な原稿を書いてみせたところで、どうせきちんと自分の足で取材している人の文章には及ばない。 なので、ここから先は、ほかの書き手があまり手がけないであろう話をする。 週刊新潮が伝えた福田氏のセクハラ疑惑の第一報を読んで、私が最初に感じたのは、驚きというよりは、違和感に近い感覚だった(こちら)。 というのも、録音された音声を聞いた上であらためて記事を読んで見ると、福田氏のセクハラ発言が、通常の日常会話や取材への受け答えの中にまったく無関係に挿入される挿入句のよう
「AneCan」(小学館)5月号 先月号のレビューでもチラリと触れた、蛯原友里さんと高垣麗子さんの「AneCan卒業」。実際の卒業は、蛯原さんは6月号、高垣さんは7月号ということで、今月の「AneCan」(小学館)5月号から「YURI&REIKO 卒業Special」が始動しました。それにしても、これからの「AneCan」は一体全体どうなってしまうのでしょう。屋台骨2本を失った今、荒波の雑誌業界で生き残れるのでしょうか。 現役モデルの皆さんはもちろん綺麗で可愛いですし、毎号の企画も面白いですが、何かが足りないような……。残される御三家のうちの1人である押切もえさんに期待がかかりますが、山本周五郎賞の候補に選ばれたり、ワイン仕事が広がっていたりと、他分野での居場所作りに熱心なご様子。だけど、不器用で真面目な押切さんのこと、「AneCan」と真っ向から向き合い、雑誌業界での“生き残り”にかけて
加藤和彦が死んだことで、一週間近く、ずっと考えているのだけれども、うまく言葉に出来ない。ただ、最近、死に様というのは、その人がいかに生きたかというのを象徴していることなのだなと、よく思う。そのひとつとして、加藤和彦の自殺も、すとんと腑に落ちるようなものを私は感じた。 彼のスタイリッシュで貴族趣味的といってもいい音楽のその裏には、いつも群衆からはぐれたところでぽつねんと佇む孤独の気配がいつも漂っていた。「うたかたのオペラ」の「50年目の旋律」、「ベネツィア」の「水に投げた白い百合」などがそうだ。 さらに誤解を恐れずにいうならば、彼の音楽そのものが虚無であったようにも思える。 フォークを端緒にロック・テクノ・レゲエ・ジャズ・ボサノバ・クラシックなどなど、バンドごと、時代ごとにコンセプトごとに変幻する彼の音楽――それは常に時代の半歩先を読み、後の世代に様々な影響を与えた作品ではあったのだけれども
「こぼれたのかな……内緒ね」。そう言う真紀(松たか子)と鏡越しに視線が交差した瞬間、目を見開いたのはすずめ(満島ひかり)だけではなかったはず。ドラマ『カルテット』は、全てがグレーのまま幕を閉じた。あぁ、なんて行間案件のドラマだったのだろう。 グレーのままでいい、という愛情 疑惑の人となった真紀が、コンサートで演奏しようと選んだ楽曲は『死と乙女』だった。第9話で、真紀にすずめが話した「好きはこぼれる」という言葉をふまえるのなら、こぼれたのは「この曲が好き」という意味かもしれない。だが、義理父の「死」が近くにある真紀は、その選曲に意味があるのではないかと勘ぐられてしまうだろう。 でも、すずめにとって真相はグレーのままでかまわなかった。白黒つけたがるときは、往々にして相手を糾弾したいときだ。味方でいる分には、白でも黒でもそばにいることには変わらない。内緒にしたい秘密があっても「信じてほしい」と言
カルテット8話を観た感想は、とにかくすずめの想いが健気で切ない。 8話に於けるすずめの行動はとても健気で、具体的には、別府と真紀を結婚させる為にカルテットの家を出ようと不動産会社でアルバイトを始めたり、家森にも同じく家を出るようにすすめたり、別府が神社で引いた凶のおみくじを、自身の大吉のものと交換したり、ミッキー・カーチス演じる根本からもらったリストのコンサート「夢〜」のペアチケットを、自分にはいい人がいて、その日はその人と粉もんを食べにいくからと嘘をついて二人にあげたりする。その様子は、作品半ばで登場するサボテンの花を想起させる。 そんなすずめの「好き」の在り方をとてもわかりやすく表現しているのが、根本とすずめが公園のベンチに座って会話するシーン。「じゃあ、きみの「好き」はどこにいくの?置き場所に困らないのかね?」という根本の問いに対してすずめは、「私の「好き」はその辺にごろごろと寝っ転
最後の嘘つきは真紀さんだった! 「マジか……」と別府くんならずとも呟いてしまう終わり方だった『カルテット』第8話。満島ひかりが最強に可愛くてせつなく、高橋一生がさりげなく可愛くてせつなかったメインストーリーから振り返っていこう。 30代で片思いしたっていいじゃない 『カルテット』のキャッチフレーズは「全員片思い 全員嘘つき」。そして先週放送された8話のキャッチには「全員片思い完結!?」とあった。片思いを矢印で表すと、家森(高橋一生)→すずめ(満島ひかり)→別府(松田龍平)→真紀(松たか子)となる。真紀から伸びる矢印の先には幹生(宮藤官九郎)がいる。家森には矢印が伸びていない。「ワシにもくれ!」と言いたくなる気持ちもわかる。「完結」とは片思いが成就することを意味しているのではなく、片思いそのものがそこにあるという意味だった。 「人生には三つの坂がある。上り坂、下り坂、まさか」 カルテットドー
まったく目と耳が離せない坂元裕二の脚本と、松たか子、満島ひかり、松田龍平、高橋一生の演技による四重奏が楽しく、心地よく、ハッとして、胸に迫るTBS火10枠ドラマ『カルテット』。 一方、ツイッターなどで『カルテット』ファンはどんどんヒートアップしており、『あまちゃん』フィーバーを思い起こさせるような素敵なファンアートも大量にアップされている。それ自体がドラマの批評になっているイラストもあるので『カルテット』ファンはぜひ一度ご覧あれ。 さて、第4話の主人公は、卑屈で理屈っぽいヴィオラ奏者、家森諭高(高橋一生)だ。彼の意外すぎる過去と、とても普遍的な親子の情愛にグッと来た視聴者も多かったはず。後半では、巻真紀(松たか子)と彼女にストーカーめいた愛情を持つ別府司(松田龍平)の関係がいきなり進展! 諭高のもう一つの謎も解き明かされて……。 バツイチ子持ちでVシネ俳優という経歴に驚愕! 諭高は実はバツ
元日早々、今後のテレビ業界と芸能界を左右する注目の出来事がありました。 「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演した松本人志さんが、「いまだに事務所の力関係があり、大きい事務所のスキャンダルは扱えないことがある」「でもそういうのは一般の人にバレていて、『何であのニュースを扱わないの?』と思われてしまう」とコメントしたのです。 「テレビ業界と芸能界におけるタブー」とも言われる内容であり、自身も大手芸能事務所の『よしもとクリエイティブ・エージェンシー』に所属しているだけに、思い切った発言であるのは間違いありません。 松本さんは続けざまに、「ネットでさんざん上位にあがっているのに、テレビのワイドショーでは一切扱わない違和感に、テレビ業界の人たちもそろそろ気づいてほしい」「じゃないと、テレビはどんどん時代遅れになっていくし、『芸能界ってやっぱり変な世界やな』って一般社会と離れていっちゃうのが、僕は
話題の「逃げ恥」って何? 「逃げ恥」が終わってしまいました。 逃げ恥とは、2016年の10月~12月までTBSで放送されていた連続ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の略称(原作は海野つなみさんの漫画)。12月20日の最終回は、平均世帯視聴率20.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)となり、TBSの火曜ドラマ枠で歴代最高視聴率を更新しました。 とあるきっかけで、賃金が発生する「契約結婚」をすることになった男女の社会派ラブコメディーで、出演者が主題歌に合わせて踊る、通称「恋ダンス」も話題になった大ヒットドラマです。 「自尊感情が低い男」津崎平匡(つざきひらまさ)と、「小賢しい女」森山みくりのぎこちない恋は、「ムズキュン」と呼ばれ、毎週多くの視聴者をもん絶させてきました。もちろん、私も毎週テレビの前でもがき、叫び、恋ダンスをしていた1人です。 では、一体逃げ恥の何がそこまで人を引き付けたのでしょう
※この記事には原作漫画のネタバレが含まれます。 TBS系で火曜夜10時から放送されている『逃げるは恥だが役に立つ』(以下、『逃げ恥』)から毎週、目が離せない。 視聴率は初回の10.2%(関東地区)から順調に数字を伸ばしており、第8話でついに16.1%(同)を記録。 視聴率だけなら連続テレビ小説『べっっぴんさん』(NHK)や『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)といったドラマの方が高いのだが、そういった数字とは違う若さと勢いがあり、停滞していた民放ドラマに新たな活気をもたらしている。 本作は、大学院を卒業したが就職できずに派遣社員として働いていたが会社をリストラされた25歳の森山みくり(新垣結衣)が、家事代行サービスの仕事をしている時に知り合った、IT企業で働く35歳で恋愛経験のない津崎平匡(星野源)と、ふとしたきっかけから偽りの夫婦を契約で演じることになるラブコメディだ。 原
『逃げるは恥だが役に立つ』論(後編) 『逃げ恥』が描く男らしさの罠と星野源について言及作品(ネタバレあり) 漫画・ドラマ 逃げるは恥だが役に立つ アニメ 新世紀エヴァンゲリオン アナと雪の女王 映画 図書館戦争シリーズ アイアムアヒーロー シン・ゴジラ ドラマ モテキ 踊る大捜査線 真田丸 本稿はテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』)論の後編である。 前編では『逃げ恥』の脚本家・野木亜紀子の仕事を振り返ることで、彼女がどのように原作漫画をドラマに置き換えたかについて考察した。 前編はこちら 後編では『逃げ恥』で引用されたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(以下、『エヴァ』)の影響がテレビドラマにどのように引き継がれてきたかについて考察すると同時に、津崎平匡へと至る童貞男性を主人公とした恋愛ドラマの系譜をたどり『逃げ恥』が何をなし得たのかについて考察する。 そして最後に、平匡
あの「タンポポオムライス」の原点かもしれないプレーンオムレツ 伊丹十三監督の映画『タンポポ』で有名になったいわゆる「タンポポオムライス」にあこがれています。 『メシ通』でも記事になっていましたね。 チキンライスの上に乗せたオムレツにナイフを入れると、ふわとろの卵が開いていく。おいしさの演出として至上のものです。 伊丹十三はエッセイストとしても抜群の才能の持ち主でありました。語り口の親しみやすさや、内容がすっと入ってくる絶妙な文体は、いま読んでもうなるほどです。現在活躍しているエッセイストにも彼の影響を受けている人は多くいるはずです。 「タンポポオムライス」の原型ではないか 伊丹十三のエッセイの中に、プレーンオムレツを作る話があります。これがタンポポオムライスの原点となったんじゃないかと筆者は考えているのです。 伊丹十三『日本世間噺大系』(新潮文庫刊) 『日本世間話大系』に収録されている『プ
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