「顔認証」からは逃れられない 一方でこうした技術が大いに役立ったケースもある。徳島で起きたある性犯罪事件では、警察が容疑者と見込まれる男のスマホを押収したところ、被害者の顔写真が保存されていた。 これだけでも有力な証拠だが、さらなる事実が発覚した。 当時、鑑定課で事件を担当していた徳島県警生活安全部生活環境課次長の秋山博康氏が語る。 「被害者の顔写真を拡大し、色や明るさを修整したところ、被害者の瞳に、容疑者の姿が写り込んでいることがわかりました。また、背後の様子から、その場所が犯行現場であることも特定できました。動かぬ証拠を突きつけられた容疑者は、否認せず、犯行を認めました」 警察も負けじと、顔写真の瞳から個人情報を割り出していたのである。 高解像度化が進んでいるのはスマホカメラだけではない。ITジャーナリストの三上洋氏が語る。 「隣国・中国の深センでは、歩行者の信号無視が常態化し、問題と