来年度から中学校で使用する公民教科書が今も決まらない沖縄県八重山地区において、高校三年生が投げたボールに、異様な反応を“大人たち”が見せている。 教科用図書八重山採択地区協議会(会長・玉津博克石垣市教育長)は八月二三日、教員の調査結果を反故にし、たった五分間の協議で「つくる会」系の「育鵬社」公民教科書を選定した。 こうした実態に、米国留学中「ディベート」や「情報公開」「説明責任」が民主主義の要であると学んだ八重山高校三年の城所愛美さんは、九月一日付『八重山毎日新聞』に「八重山の民主主義の行方は?」と題する寄稿をした。 〈子どもは大人の背中を見て育ちます。しっかり「ディベート」してとことん話し合い、「情報公開」「説明責任」を果たす、「真の民主主義の姿」を大人は見せてほしいと思います〉 高校三年生の正鵠を射た指摘に過剰反応したのが「育鵬社」推進勢力だ。自民党系の石垣亨市議は議会で、城所さんの寄