2020年の国勢調査を受け、人口減少率や財政力の法的基準に応じて「過疎地域」に指定される自治体が、22年度に全国1718市町村(東京23区を除く)の51・5%にあたる885市町村に上ることが分かった。過疎自治体が5割を超えるのは1970年の指定制度開始以降初めて。地方の衰退が深刻化し、政府の地方創生策の実効性が改めて問われるのは必至だ。 総務省が1月に自治体に指定を通知し、政府は4月1日付の官報で公示する。
「金持ち優遇だ」との批判が強かった金融所得課税の見直し論が加速している。自民党総裁選でも税率を引き上げるべきだとの声が強く、年末の2022年度税制改正議論でも大きな焦点になりそうだ。金融所得課税の何が問題なのか、なぜこれまで見直しの動きが進んでこなかったのか、問題を一から探った。 所得税との違いは? 多くの人になじみ深い税といえば、所得税だろう。会社からもらう給与や商売で稼いだお金に課税され、所得が多くなるほど段階的に税率も高くなる。現在は課税所得195万円未満の税率は5%であるのに対し、同4000万円以上は最高税率の55%(うち10%分が住民税)が課される。お金持ちほど支払う税金が多くなる仕組みだ。 これに対し、株式の譲渡益や配当金など金融取引によって得た利益である金融所得は、給与などの所得とは合算されないうえ、税率は所得や、得た利益に関係なく一律20%(うち5%分が住民税)課税される。
霞が関の官庁街に建つ財務省(手前右)と文部科学省(左奥)。少人数学級の必要性を巡り、何度も応酬を繰り広げてきた=大久保昂撮影 小中学校の教員数を増やす必要があるか否か――。近年、予算編成を巡り文部科学省と財務省がさや当てを繰り返しているが、今年は激しさを増している。文科省が、学級規模の上限を定めた義務標準法を改正し、現行の40人(小1は35人)から30人へ引き下げる一律の少人数学級化を目指す強気の姿勢を見せているからだ。なぜ今なのか背景を探った。【大久保昂】 萩生田文科相「財布を持っている方に負けない」 「財布を持っている方が強いっていうのは世の中的にはそうかもしれませんけど、それに負けないために文科大臣になったつもりでおりますんで、しっかり戦ってまいりたい」。10月27日の閣議後記者会見。少人数学級の実現の可能性を聞かれた萩生田光一文科相は語気を強め、財務省への対抗意識をむき出しにした。
講演する前川喜平・文部科学省前事務次官=須坂市須坂のシルキーホールで2018年3月13日、川辺和将撮影 文部科学省の前川喜平前事務次官が13日夜、長野県須坂市内で講演した。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題を受けて辞任し、国会招致を要求する声が高まっている佐川宣寿前国税庁長官に関し「役人は辞めれば何でも言える。佐川さんにそう教えてあげたい」と述べた。 前川前事務次官は昨年、「加計学園」の獣医学部新設計画に関し「総理のご意向」と記された文書の存在を告発。その後、全国の講演会などで官邸側の関与を主張し続けている。 講演では森友問題について「意思決定過程の不透明さなど加計問題と似ている」とし、改ざんは「隠すだけでなく偽の情報を出した。輪をかけて悪質だ」と批判。「38年務めた経験上、役所の人間が自ら判断したとは思えず、政治的な力が働いたと考えざるをえない」と語った。
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書が書き換えられたとされる疑惑で、同省が国会に開示した文書とは別の決裁文書に、「本件の特殊性に鑑み」「学園に価格提示を行う」などの表現があることがわかった。毎日新聞が同省近畿財務局への情報公開請求で入手した。これらの表現は国会に昨年提出された売買に関する開示文書にはなく、文書作成の経緯や疑惑との関連性が議論になりそうだ。 「特殊性」との表現があるのは、財務局が2016年6月、学園に国有地を鑑定価格より約8億円安い1億3400万円で売却する方針を国土交通省大阪航空局に通知した際の決裁文書。「財務局と航空局との協議」と題した項目に、「本件の特殊性に鑑み、売買契約締結後に契約書に基づき国が行う行為については、近畿財務局と大阪航空局が必要に応じて協議を行い、これを実行するものとする」と書かれていた。文書には、国有地の地中…
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書が書き換えられたとされる疑惑に関し、財務省は6日の参院予算委員会理事会での報告で、文書が2種類存在するかなどについての明確な説明を避ける姿勢を続けた。これに野党が猛反発し、6日の国会審議は衆参両院で空転した。財務省の「ゼロ回答」や、首相官邸の対応に対し、自民党内では政権全体への批判が強まりかねないとの危機感が広がっている。 自民党の二階俊博幹事長は理事会後の記者会見で「国会が要求した資料を出せないというのは、ちょっと理解できない」と財務省を批判した。2日の朝日新聞による疑惑の報道後の政府の説明に対し、自民幹部は「白黒つけられない回答では厳しい」と指摘した。
学校法人「森友学園」の小学校開設の認可を巡り、大阪府の松井一郎知事は21日、府私立学校審議会(私学審)が2015年1月に「認可適当」の答申を出す前、財務省近畿財務局から「口頭で森友側に売却するとの見通しが(担当課に)伝えられた」と述べた。府庁で記者団に明らかにした。財務省は毎日新聞の取材に対し「府に契約の見通しを伝えたことはない」と否定している。 私立小の認可に関する府の審査基準は、学校用地は原則「自己所有」と定め、借地の上には校舎は建てられないと規定する。財務局と森友側が買い受け特約付きの定期借地契約を締結する前に、府が私学審での審議を始めたことについて、松井氏は「規則に書かれている以外のことをやっているのは事実」と認めた。その上で「国から売却の見通しを得ていたため、所有権が(森友側に)移るとみなした。完全に規則違反なのかは検証が必要だ…
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く