先日、「人工知能学会」会誌の表紙が賛否両論を呼び話題となったが、奇抜な表紙を採用している学会は他にもある。中でも「分子生物学会」会誌 Genes to Cells の表紙デザインは群を抜いており、浮世絵に取材した雅なデザインに生物学のモチーフがちりばめられている。これだけの妙案を毎月定期的に出せるというのはタダ者ではない。一体どんな人が描いているのだろう・・・? 本稿では Genes to Cells の雅すぎる表紙の一部をご紹介する。本稿に掲載しなかった号を含めたバックナンバーは学会の公式webサイトで確認できるので、興味を持った読者はぜひご覧あれ。 水面に映える「二重らせん」橋を通して富士山を遠望する 組み換えて次の世代へ受け継ぐ大相撲 footprintすだれから顔をのぞかせる平安美女 伸びろ微小管街道!届け物資! 雷神、活動電位を発する! 風神、「跳躍」伝導する! 富士を背にDNA
バイオダイレクトメールに掲載した生化夜話のバックナンバーをご覧いただけます。 生化夜話について 2005年5月から2008年3月まで連載していた細胞夜話は「細胞を扱う研究者が飲み会で話す余談のネタを提供する」をコンセプトとしていました。その後を継ぐ形で始まる本連載「生化夜話」も、同様に「研究者が飲み会で話せる生化学関係のネタを提供する」ことをコンセプトとしています。忙しい研究生活の合間の息抜きとして、お付合いいただければ幸甚です。 バックナンバー タイトル 掲載時期
実績ある過去。そして新たな始まりへ。 GEヘルスケア ライフサイエンスはCytiva(サイティバ)となりました。『プレスリリース(英語)はこちらから』 まずは、ちょっとした頭の体操です。 観察された事実1:多量の物質Xが存在する場合、症状Yは重度である 観察された事実2:少量の物質Xしか存在しない場合、症状Yは軽度である 導かれる結論:Xを減らすことで症状Yを軽減することができる さて、この結論は正しいでしょうか? 正しいかもしれませんし、間違っているかもしれませんね。物質Xが症状Yの原因である可能性もありますが、それとは逆に症状Yの結果として生成されたのが物質Xである可能性もありますし、全く別の原因Zがあって、XとYはともにその結果かもしれないのです。 全貌が明らかになっていない系について、得られた相関性だけで解釈してしまうと、間違った結論に達してしまうことがあります。 しかし、それでも
Y Tambe @y_tambe 例えばパン。パンの歴史はおそろしく古くまで遡り、当初は、大麦や小麦を発酵させずに作った「無発酵パン」だったが、古代エジプトで「発酵パン」が作られる。麦を粉にして水で練って焼いて「無発酵パン」を作ってたとき、焼く前のを半日ほどほったらかしてたら、それが「腐って」酸っぱくなった(続 2013-12-07 06:53:09 Y Tambe @y_tambe 承前)で、最初はその、酸っぱくなって泡がでてきた「麦粥」は腐ったものとして捨ててたらしいが、あるとき焼いてみたら、酸っぱさはあるんだけど無発酵パンよりふんわり柔らかく(酵母が作る炭酸ガスで生地が膨んだせい)食べやすい…というわけで古代エジプトでは発酵パンが主流に(続 2013-12-07 06:56:18
一般的な話題 超一流化学者の真剣勝負が生み出した丸かぶり論文 2013/7/8 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 論文 JACS, 不斉触媒, 競争, 銅 投稿者: cosine さて皆さん上図をごらん下さい。これらは少し前に報告された触媒反応[1a,1b]のグラフィカルアブストラクトです。ほぼ同時に投稿されているうえ、触媒系にもさほど違いがありません。 こういう事態が起こると外野からは「どっちがどっちをパクったの?」「どっちにレフェリーが回ったの?」と安直に言及されがちです。 しかしあえて言おう・・・「ほとんど独立に取り組んだにも関わらず、全く同じ条件に行き着くケースは、超一流の研究領域ではありえるのだ」と! 気ままに有機化学さんでも「世界同時多発研究」と称して紹介されていますが、こういうことは実際少なくないのです。以前紹介したこの例なんかも、その一例と捉えられるでしょう。 今回はどう
一般的な話題 前代未聞のねつ造論文 学会発表したデータを基に第三者が論文を発表 2013/10/15 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 論文 投稿者: ペリプラノン 巷はハロウィーンムード一色ですね。お菓子をねだる子供の幽霊はかわいいものですが、趣向を変えて不気味な幽霊が引き起こしたミステリーをひとつ紹介しましょう。 ミステリーとはずばり、自分の研究が幽霊によって先に発表されてしまったというものです。 これを読めば研究者の方なら誰でも背筋に冷たいものを感じるはずです。 その幽霊による被害者はHarvard Medical Schoolの細胞生物学者Bruce Spiegelman教授です。 科学者たるもの論文を書いてなんぼです。日々の研究成果を論文として出版したときに初めてその研究の記録が人類史に刻まれていきます。よって論文とは研究者の命と言えるでしょう。今回のポストでは化学とは関係あり
一般的な話題 こんな装置見たことない!化学エンジニアリングの発明品 2013/9/25 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 製品情報 投稿者: Tshozo 一般には成熟したと思われる化学エンジニアリングの世界、そこには未だ未だ驚愕に値する発明の種は埋まっているのであります Tshozoです。今回、その発想力と技術の切り口に久々に感動した化学関係の装置がありますので紹介させていただきます。 元ネタは日刊工業新聞社殿が長年主催されている「発明大賞」。今年で39年目を迎える長寿企画で、「優れた発明考案により、我が国産業の発展と国民生活の向上に業績をあげた企業及び個人またはグループに贈られる賞」という趣旨のものです。そのリストを見ると機械マニアが狂喜しそうな、数々の素晴らしい発明品が生み出されています。 ▲発明大賞ロゴ 発明大賞サイトはこちら → ● 今回受賞リストはこちら→ ● 日刊工業新聞社
九州大学(九大)は10月4日、理化学研究所が所有し高輝度光科学研究センターが運用する大型放射光施設「SPring-8」での「4D観察」(3次元に時間を加えた、3Dでの連続観察のこと)を活用し、アルミニウムの真の破壊メカニズムを解明したと発表した。 成果は、九大大学院 工学研究院の戸田裕之 主幹教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、10月4日付けで米学会誌「Metallurgical and Materials Transaction」オンライン版に掲載され、11月1日発行の印刷版12月号にも掲載される予定だ。 金属に力を加えた場合、金属ごとに異なるが一定の力を越えると変形するようになり、そのまま力を加え続けて限界を超えると破壊に至る。その変形の過程では、金属材料内部に高密度に存在する微細な粒子の破壊から始まり、次にそれによってできた多数の「ボイド」(空洞)が徐々に成長し、最後に
スズメ8 @Hornet_B あのね、酵素ジュースね。これ、すすめる雑誌には言いたいこと山ほどあるけど、あんまり、だまされた人をバカにするようなきつい言い方もだめよ。そりゃ、酵素ジュースの酵素なんてもの、ほんとに考えてみれば、おかしいよ。おかしいけど、そこそこ大手の記者が書いちゃってるんだよね。 2013-10-03 18:42:08 スズメ8 @Hornet_B あのね、酵素酵素って言うけど、そもそも酵素ってなんのこと?なにから取れるなにを指して酵素って呼んでる?なんとなく、そのへんの菌がだいたい体にいいもの作ってくれるんじゃないかと期待してるなら、そりゃ残念ながら、あんまり期待せんほうがええわ。 2013-10-03 18:44:05
北斗柄@野巫の六壬者 @hokutohei 『あなたの言っていることは、あなた以外の世界では通用しませんよ』何を言っているんだか、科学が見いだした法則は現時点での最高の近似として普遍的に通用するもんだろ。勉強して出直しこいや。 / “サイエンスカフェ:「科学者ではない」- …” http://t.co/qA21rFCh1t 2013-09-21 11:38:25 山猫だぶ㌠ @fluor_doublet 職務怠惰を正当化し、相手にその責をなすりつけようとしたいのはわかるんですが、「あなたの言っていることは、あなた以外の世界では通用しませんよ」ばかりじゃ、取り残されていくだけじゃないでしょうか。/サイエンスカフェ:「科学者ではない」 http://t.co/tnWpmyfQkr 2013-09-21 12:49:02
【福島慎吾】近く爆発するとも言われているオリオン座の1等星「ベテルギウス」が、一定の波長で見ると、30〜40年前より直径が2〜3倍にふくらんで見えることが、北見工大などの観測でわかった。爆発に関係しているのか、詳しい原因は謎だという。10日に仙台市で始まる日本天文学会で発表する。 北見工大の三浦則明教授らが、西はりま天文台(兵庫県佐用町)にある、なゆた望遠鏡を使って観測。地球の大気のゆらぎを特殊な統計処理で取り除き、高い解像度でベテルギウスを撮影することに成功した。 可視光のなかで緑色の波長帯で見ると、ベテルギウスの形は楕円(だえん)形にゆがみ、さらに同じ波長で観測された1970〜80年代の記録と比べると、直径が2〜3倍になっていた。この波長で観測すると、年老いた星の表面に増える酸化チタンを見ることができる。 三浦教授は「詳しいことはわからないが、この40年の間に何かが起きたことは確
あるAnonymous Cowardのタレコミより。hon.jp DayWatchにて、「電子書籍端末に作品をたくさん入れると、本体は重くなるか」という話題が紹介されている。冗談かと思いきや、実際に本体は重くなると米カリフォルニア大学バークレー校のJohn D. Kubiatowicz教授が答えている。 教授がボケているというわけではなく、電子書籍端末のストレージに使われているフラッシュメモリに情報を格納すると、メモリ内のMOSトランジスタに格納される電荷が増え、理論的には「E=mc^2」の法則に従って質量が増えるという。たとえば2GB程度のメモリを消費すると、本体は10^(-18)グラム程度重くなる可能性があるそうだ。
血液型と性格には強い*1関連があるという主張がある。血液型性格判断あるいは血液型占いと呼ばれている*2。こうした主張には科学的根拠はない。詳しくは■遺伝学からみた血液型性格判断で論じた。ニセ科学を論じる上では「定番」となっている話題である。さて、 ■血液型占いにすっかり洗脳されている皆さまの目を覚ます呪文について | More Access! More Fun! というエントリーが注目を集めている。このエントリーでは『女性誌やテレビを中心に蔓延している「血液型占い」は真っ赤な嘘である』と主張されており、その結論には概ね同意はできるが、結論を導く過程においていささか難があるように思える。「血液型占い」が真っ赤な嘘であるとしても、不適切な論法で批判するのはまずい。ここでは、かのエントリーのどの部分が不適切であったのか説明することとする。 アフリカ系アメリカ人にA型が多いことは血液型占いが間違っ
ついにクマムシが主人公の漫画が世に出た。擬人化したクマムシとミドリムシが活躍する研究漫画である。漫画のタイトルこそ「ミドリムシは植物ですか?虫ですか?」となっているが、私の脳内では「クマムシはクマですか?虫ですか?」と変換されるのでクマムシ本という認識でいる。 珍しいクマムシ 本作は漫画家の羽鳥まりえ先生によるものだ。羽鳥先生は私が発行する有料オンラインジャーナル「むしマガ」の読者だ。むしマガのクマムシ情報も本作品を作る上での一助となったとのことで、嬉しく思う。巻末には、協力者として私の名前も掲載していただいた。 この漫画には、私をモデルにしたとしか思えないイケメン・クマムシ研究者が出てくる。名前は勅使河原大吾。私の名前が「大樹」なので「大吾」とは一文字違いである。外見も名前も似ているのである。 クマムシ研究者の勅使河原大吾 この勅使河原大吾がある日顕微鏡でクマムシを眺めていると、目の前に
環境汚染の被害を最小限に食い止める新たなテクノロジー。 タンカーの事故などにより海へと放たれてしまった石油はその性質から、これまで除去する作業が非常に困難でした。しかしペンシルバニア大の研究チームが新たに開発したエアロゲルを用いれば、その被害は最小限に抑えることができるかもしれません。彼らが開発したのはカーボンナノチューブによって構成された超低密度エアロゲルです。 ほとんど目で見ることのできないこのエアロゲル、自重の900倍近い量の油を吸収することができる99.9パーセントが空白の物質です。ゲルによって吸収された油は直接絞りだすか、燃焼させて処理することができます。これまでの除去方法である吸着マットにこのエアロゲルを上手く組み合わせれば、その作業効率は改善し、より多くの水生生物を守ることができるようになるかもしれません。 もちろん事故そのものを未然に防ぐことが一番大切ですが、被害を最小限に
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