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ブックマーク / kageboushi99m2.hatenablog.com (27)

  • これも片隅~山田参助「あれよ星屑」~ - タイドプールにとり残されて

    時は敗戦後。戦地から引き上げてきても家族の元には戻らず、雑炊屋を営み、その他の時間は酒浸りになって過ごしている男と、その彼の「班長」と戦時中の階級で呼び慕う男。その二人を中心に、戦後すぐの時期を生きるさまざまな人々を描いたほのぼの(ほのぼの、……まあこの時代を描いたほかの作品と比べればもちろんほのぼの)日常ストーリーがこちらのマンガ、「あれよ星屑」(作:山田参助)である。 読み終わっての率直な感想から言うとすごく面白かった。また、僕の主観でなく考えても、読む価値のある傑作だと思います。プランとしては、ある時誰もがその話をした名作「この世界の片隅に」とまずは同じで、戦中戦後の人々の姿を現代的なタッチで生き生きと描くところから物語を始めている。 いわゆる、「復員兵もの」というジャンル、戦いと理不尽と不自由の日々を過去にもち、いまはひとまず銃後に戻り平和に暮らしている男が暮らしの中で出会う問題を

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  • 忘れずに帰ってくるんだよ。あんたのように簡単には出ていけない人たちのために。~サンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』~ - タイドプールにとり残されて

    いつか、わたしだけのホントの友だちをつくるんだ。わたしの秘密をうち明けることのできる友だち。わたしのいう冗談を説明ぬきでわかってくれる友だち。それまでのわたしは赤い風船。錨のついた赤い風船。 マンゴー通り、ときどきさよなら 中古・書籍 | ブックオフ公式オンラインストア 『マンゴー通り、ときどきさよなら』を読みました。口ずさみたくなるようなタイトルで、みるからに名作の匂いがしますが、実際読んでみたら名作なんてものではなかった。 詩人としてデビューしたこの作家の文章はいたるところすべて美しく、またそういう作家にありがちな無軌道さはなく、連作短編としてひとつの構造物になっている。そのうえ、一はショートショートくらいの分量なのですが、それぞれ話としてきれいにまとまっている。文学的な美しさと、社会的な視点とが両方とも高いレベルで組み込まれている。理論上完全無欠満点の文学作品と比べたらそれは

    忘れずに帰ってくるんだよ。あんたのように簡単には出ていけない人たちのために。~サンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』~ - タイドプールにとり残されて
    murashit
    murashit 2024/03/18
  • だから宇宙は黙ってるんだよ、パパ。~リチャード・パワーズ『惑う星』~ - タイドプールにとり残されて

    だから宇宙は黙ってるんだよ、パパ。 リチャード・パワーズ、木原善彦/訳 『惑う星』 | 新潮社 リチャード・パワーズの最新作、『惑う星』を読みました。読みながら、あ~こういうことを話したいな、こういうところを引用したいななどと思っていたのですが、終盤に行くにつれて小説が上手すぎて内容に触れたいという気持ちがほとんどなくなってしまった。 デビュー作からずっと、そういう側面が非常に強い作家だと認識していたのですが、とくに比較的小品となっているこの『惑う星』ではさらに際立っていて、作中に登場する要素やモチーフのつなぎ方や出てくる順番、まとめかたが非常に洗練されている。読んで感じて理解していくだけでただただ楽しいんですよ。 この作品を読むにあたっては、この作品を1ページ目からめくっていって現れる順に情報を処理していくのがいちばんいいと思う。事前情報がないとわからないことは一切ないし、訳注もいいとこ

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    murashit 2024/01/11
  • YAH YAH YAHの歌詞わかりすぎる順ランキング - タイドプールにとり残されて

    「YAH YAH YAH」の歌詞ってどのところも「わかりすぎる…」となりませんか? ふつうのJ-POPの歌詞というものはわかるところと「ん?」となるところの両方が基はあると思うのですが、「YAH YAH YAH」はすごくて、全部完全に納得できるんですよ。 というわけで今回は個人的、「YAH YAH YAH」の歌詞わかりすぎる順ランキングを上げていきたいと思います。5位から順に。 [MV] YAH YAH YAH / CHAGE and ASKA - YouTube 5位 掴んだ拳を使えずに 言葉を失くしてないかい めっっっちゃわかる。わかるというか、7歳ぐらい以降の人生、ずっとこの状態だといっても過言ではない。 やっぱ僕自身は腕力が強いか弱いかで言えば弱いほうの人間だったので、こういう感じで悔しい思いをしていることが何度あっただろうか。で、殴るのをあきらめちゃうと、自然と言葉も出なくなっ

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    murashit 2024/01/11
    わかる
  • これもとにかく切り抜けるべきものとなる~ベン・ファウンテン『ビリー・リンの永遠の一日』~ - タイドプールにとり残されて

    イラク戦争で戦果を挙げた「ブラボー小隊」が特別休暇を与えられ、アメリカに帰ってくる。実家にしばらく帰ったり、彼らを「国の英雄」だともてはやす市民たちにファンサービスをしたり、VIPとしてアメリカンフットボールの試合に招かれて、ハーフタイムにピッチを歩いたりして、……兵士になる前の貧しい暮らしや派遣先での死と隣り合わせの泥にまみれた暮らしとはぜんぜん違う待遇を味わう。胸を張って歩く。酒を飲む。恋をする。 ……そして、休暇が明け、彼らはイラクへ任期を全うしに帰っていく。 というお話、ベン・ファウンテンさんという人が書いた、『ビリー・リンの永遠の一日』を読んでいた。 ベン・ファウンテン、上岡伸雄/訳 『ビリー・リンの永遠の一日』 | 新潮社 中東での戦闘を生き延び一時帰還した8人の兵士。彼らは戦意昂揚のための催しに駆り出され、巨大スタジアムで芸能人と並んでスポットライトを浴びる。時折甦る生々しい

    これもとにかく切り抜けるべきものとなる~ベン・ファウンテン『ビリー・リンの永遠の一日』~ - タイドプールにとり残されて
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    murashit 2023/07/01
  • 小説をよく読む人やたまに読む人に聞いてみたいこと 気になっている - タイドプールにとり残されて

    小説家の友人と通話をしたのだが、そのとき、「文体、とくに人称について悩んでいる」という話になった。 日語で一人称で物語を書くときは、「僕」とか「私」とか「おれ」とかを使わないといけないのだが、どうしてもその選択によって、その人がどういうセルフイメージを持った人物なのかについての情報を読者に与えてしまう、自分のことを「僕」と言いそうな人なのか、「私」と言いそうな人なのか、読む人がイメージを持ってしまう、ということが邪魔に感じる。 かといって三人称を選択すると、それはそれで個人的にしっくりこない。 というのがだいたいその話の内容だったと思う。 僕自身もフィクションの文章を書くことはあるのだが*1、その際はほぼ100%一人称を選択している。これには理由があって、文体の癖、……というよりは自分の物の見方とか頭の働き方全般にわたる癖だと思うのですが、なにかを記述するときに存在をベースにするのではな

    小説をよく読む人やたまに読む人に聞いてみたいこと 気になっている - タイドプールにとり残されて
    murashit
    murashit 2023/05/01
    自分も(たしかに認識ベースだからか)一人称のほうが楽なので、なんか書くときにはあえて三人称がんばってやるか……みたいなのがある/それもあって読んでるときも気にしてしまいがちかもしれない
  • ただひとつ面白かったということはわかったが…~アンナ・バーンズ『ミルクマン』~ - タイドプールにとり残されて

    サムバディ・マクサムバディが私の胸に銃口を押し当てながら私を呼ばわりし、殺してやると脅したのは、ミルクマンが死んだのと同じ日だった。ミルクマンは国の狙撃隊に射殺された。私にとってはどうでもいいことだったけど、一大事と考える者もいた。そのうちの何人かは、地元の言い方にならえば、「私と顔見知りだけどぜったいに口をきかない」人たちだった。私のことは噂になっていた。 という書き出しで始まる、『ミルクマン』という小説を読んでいた。これが衝撃の小説だったのでちょっとだけ紹介させてください。読んで、面白かったのだけど、正直それ以上のことは何もわからなかった。 主人公はある日、地元で話題のやばい男(でも有力者でもある)「ミルクマン」に付きまとわれ始める。ただ舞台は因習あふれる田舎で、いつのまにかコミュニティでは、主人公はミルクマンと付き合っているということにされてしまう。 遠回しかつ着実なミルクマンの接

    ただひとつ面白かったということはわかったが…~アンナ・バーンズ『ミルクマン』~ - タイドプールにとり残されて
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    murashit 2023/02/12
  • 大学時代一番印象に残った講義 - タイドプールにとり残されて

    僕は大学時代、とった単位と同じくらいの単位を落としていたスーパーダメダメ学生だったのだが、逆に言えば標準的な学生の最大2倍の授業を受けてきたことになる*1*2。 今回はその分厚いキャリアの中でも、特に印象に残った大学時代の講義ひとつについて振り返って書き残しておきたい。 選択必修ではない「歴史」の授業で、「ナチスドイツ」ワンテーマについて取り扱ったものだった。といっても、ヒトラーが突撃隊や親衛隊をどうこうして政権を取ったとか、戦争がどういう戦況で進んだか、といったことを教わるものではなかった。 代わりにメインテーマとなったのは、ナチス政権下でふつうの人々がどのように過ごしていたか、である。 成立してしまった強力な権力を前に、一般市民はどうしたのか。それがさまざまな歴史上の細やかなトピックを通じて、オムニバス形式で語られる。ある回では前線に送られた兵士が、故郷にあてた郵便でどのようなことを書

    大学時代一番印象に残った講義 - タイドプールにとり残されて
  • ABC(D) Cをどうかよろしくお願いします。 - タイドプールにとり残されて

    だから何、というわけでもない話なのですが。 テキストは3つの態度で書かれており、それに応じて3種類の性格に分かれると思っている。 「自分が何をどのように表現したいかを重視して書かれた」(A)テキスト、「テキストがどう伝達され、どのような効果を上げるかを重視して書かれた」(B)テキスト、そして、「テキストが、テキストの支持対象にどう忠実であれるか、を重視して書かれた」(C)のテキストである。*1 これらはお互いを排斥するような性質である必要はなく、たとえば、作者のセンスや内面を表現することに成功しかつ(あるいはそれゆえに)ポピュラリティも得ている(AかつB)、といったテキストも多いだろうし、また、テキストの指示対象がそもそも作者自身と深く関係がある(AかつC)、といったテキストも多いでしょう。 ただ、重心の置きかたが明確にA~Cのうちどれか1個だな、とわかるようなテキストもとてもあると思う。

    ABC(D) Cをどうかよろしくお願いします。 - タイドプールにとり残されて
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    murashit 2022/09/17
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  • 絶賛しておすすめしたくはない理由がある~オタ・パヴェル『ボヘミアの森と川 そして魚たちとぼく』~ - タイドプールにとり残されて

    ちょっとあまり類を見ないくらい傑出した作品だと感じたのだけど、オタ・パヴェル『ボヘミアの森と川 そして魚たちとぼく』をあまり絶賛してお勧めしたくない。 ボヘミアの森と川 そして魚たちとぼく 作者:オタ・パヴェル 未知谷 Amazon 僕自身もそんなに期待はせずに読んでいた。自然の中で育った主人公を自伝的に描いた、おだやかな、悪くいえば退屈な、すこしユーモアを交えた、悪く言えばそれ以上のものはとくにない、……という感じの作品だなあ、というのが第一印象である。最後まで読んだあとも、さっきの形容詞でぜんぜんOKだと思う。 ぼくらの中にある強奪欲は、一体どこからわきだすのだろう? 魚とみれば獲らずにはいられない血は、どこからわきだすのだろう? 「魚釣り」に出会ってそれに夢中になった幼少期の思い出だったり、青年期の遊びの思い出だったり、さらに歳をとって年長のひとたちがすこしずつこの世を離れていったり

    絶賛しておすすめしたくはない理由がある~オタ・パヴェル『ボヘミアの森と川 そして魚たちとぼく』~ - タイドプールにとり残されて
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    murashit 2022/05/26
  • 釘は抜かずにおいた~ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ『忘却についての一般論』~ - タイドプールにとり残されて

    ペケーノ・ソバは、いよいよ友を助ける時が来た、と思った。 「あの部屋をいくらで売ってくれる? 都会の中心に手ごろな部屋がほしいと思っていたところなんだ。あなたには、カバを飼えるような広い農園が必要なんじゃないかな」 忘却についての一般論 (エクス・リブリス) 作者:ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ 白水社 Amazon ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザさんの書いた『忘却についての一般論』という名前の小説を読んでいました。半端なく面白かった。 アンゴラ内戦を舞台にした小説で、「家の玄関を自分で封鎖してしまい、壁に日記のような詩のような文章を書きつけつつ、そのなかでずっと孤立した自給自足の生活を送る女性」をメインキャラに据えて、それ以外にもいろいろな登場人物の活躍、……というか強い生き様というか、そんなものを描くストーリー。 短いエピソードが次々とぶつ切りに語られて、あるエピソードで「ここ

    釘は抜かずにおいた~ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ『忘却についての一般論』~ - タイドプールにとり残されて
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    murashit 2022/05/04
  • 筋を真面目に受け取ることができるフィクションかどうか - タイドプールにとり残されて

    最近フィクション作品を自分のなかで評価するにあたって重要な基準になってきているのが「筋を真面目に受け取ることができるフィクションかどうか」である。「筋を真面目に受け取ることができる」というのは、ほかの意味あいもある言葉「リアリティがある」「感情移入できる」「シリアス」「写実的」とかと指し示している範囲がちょっと似ているかもしれない。 フィクションのなかにあるお話の筋、――登場人物たちの葛藤や、追い込まれたピンチ、といった出来事ひとつひとつが真に受けれるかどうか、真面目に受け取ったときにいちばんその作品の質が高くなるような形で作出されているか、がけっこう個人的に大事になってきている。 もちろん、筋を真面目に受け取ることを求めていないフィクション作品もけっこうあって、それはストーリーをたんに作品に一体性を与える綴じ紐みたいなものとして使っていたり、やりたいシーンや演出、キャラの置き場所として使

    筋を真面目に受け取ることができるフィクションかどうか - タイドプールにとり残されて
  • 人生に対する無条件で肯定的な関心~イーユン・リー『千年の祈り』~ - タイドプールにとり残されて

    千年の祈り (新潮クレスト・ブックス) 作者:イーユン リー 新潮社 Amazon イーユン・リーは北京で生まれ、天安門事件を体験、その後アメリカ合衆国に移住して市民権を取得した英語で創作をする小説家である。「共同体」そのものを語り手に据えた実験的な体裁を持つ短編「不滅」*1でデビューし、そのまま現代アメリカのもっとも重要な作家のひとりに数えられるまでになった。 ……という経歴やステータスをもつ作家なので、だいたい面白いんだろうとは思っていて、「面白さが保障されているっぽいし、じゃあとくにつぎ読みたいものがなくなったときに適当に読んで流すか笑」みたいなスタンスでずっといた。それで最近読んだんだけど、ぜんぜん流せるような密度じゃなかった。レベルが違う。 一日に三回、林ばあさんは唐じいさんにインシュリン注射を打つ。そのときだけ、唐じいさんの体に残った生命力が、ちょっぴり顔をのぞかせる。腕に針を

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    murashit 2021/11/03
  • ドレッシングのふだん使いはなに? - タイドプールにとり残されて

    ちょっとまえに友人とピクニックをしていて、コンビニに軽を買い足しに行ったとき、ドレッシング別売タイプのサラダを友人が手にとったのを見て、なんとなく「そういえば、ドレッシングってお前なに好きなの?」と聞いたのだけど、そのなんとなくがきっかけになって今日まで深く考え込むことになるとはそのとき思いもしなかった。 その友人は「え?笑 とくに…笑 てかドレッシングってふつうにあるものかけるだけでなにが好きとかなくない?」と答えたので、僕はけっこうびっくりした。ドレッシングといえば、僕にも多少、ブランドとか産地まではべつになんでもいいけれど、でも味はこれかこれだろ、くらいのこだわりはあるし、とくべつな理由がない限りかけないドレッシングのリストも持っている。 車とかタバコとかミスタードーナツに自発的に行ったときに注文するドーナツと同じくらい、ドレッシングも、それぞれの人に「自分的にはふつうはこれだな」

    ドレッシングのふだん使いはなに? - タイドプールにとり残されて
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    murashit 2021/08/05
    ドレッシングがなくなりそうになるたびにスーパーでキューピーのやつ(外れが少ない)から今回はどれにしようと選ぶのが好き/一方妻はマコーミックのフレンチドレッシング一筋なんだよな……
  • ギャガー事始め - タイドプールにとり残されて

    ちょっとした気の利いたことを言ってはじめてクラスメイトを笑わせたときのことをおぼえている。小学校5年生の給時間のことで、目の前にはお調子者のリーダー的な感じの男子がいて、そのとなりには影響力強めの声の大きい女子たちがいた。僕はクラスになじんでいるとは言えない微妙な立ち位置にいて、クラスメイトと話さないといけないときになにを話していいのかまったくわからなかった*1。 そんな状態で内心緊張して給を囲んでいるとき、面白いことがふと浮かんで、いつもだったらひとりの心のうちにしまっておくのだけど、そのときは場の空気もとても和やかだったので勇気を出して言ってみたのだ。そしたら、グループのひとたちがみんなとても笑って、とても自己効力感が得られたのをいまでも思い出せる。 そして、こうも思った。「なにを話せばいいかまったくわからないときは、面白いことを言って相手を笑わせればいいんだ」「笑っていると場がと

    ギャガー事始め - タイドプールにとり残されて
  • ミトコンドリア・イヴの誤謬 - タイドプールにとり残されて

    ウイルス解析の結果、現在の日の感染はわずか二つのクラスターから広がったらしいと。つまり緊急事態宣言であと2クラスターにまで追いつめてたのに、政府が緩和したせいでこうなったってことだ。/新型コロナ 現在の感染拡大 2つのクラスター起点に広がったかhttps://t.co/rgmAO07l4U — ロードランナー様(山川賢一) (@shinkai35) 2020年12月29日 Twitterをしていたらこういうツイートを見つけた。ここでは「現在の日の感染はわずか二つのクラスターから広がった」から「あと2クラスターにまで追いつめてた」を結論として出しているが、この推論は間違っていると思う。 この間違いかたは僕が勝手に「ミトコンドリア・イヴの誤謬」と呼んでいるものと同型のものだと思う。ただ、この「ミトコンドリア・イヴの誤謬」についてはけっこうこれまで何回か考えてきたのだけど、けっこうわからない

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    murashit
    murashit 2021/02/24
    良い(自分もよくわからない)
  • ご提案:カノンでウミガメのスープ - タイドプールにとり残されて

    ひとと話していたときにこのことを明かすとちょっと盛り上がる、という僕についての事実が僕にはいくつかあり、そのひとつが「スタジオジブリの作品をほとんど見たことない」というものである。 唯一通しで見たことがあるジブリ作品は「の恩返し」であるが、そう言ったときも「なんでそれ?」「もっとマシなの見ろ」と言われてまたちょっと盛り上がる。「の恩返し」それなりに面白かったのだけど、もちろんほかのジブリ作品と比べてどうなのかはわからない。 しかし、見たことはないけれども、ジブリ作品はとても人口に膾炙しているので、それぞれの作品に関して、見たことはないなりの断片的な知識があるのである。 「天空の城ラピュタ」 ・城が動く。 ・ムスカ大佐が「バルス」というと城が壊れる。 ・壊れるけどシータの胸の石が光って体が浮くので助かる。 「もののけ姫」 ・森が舞台。 ・矢が主要な武器。 「千と千尋の神隠し」 ・ハクが川

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    murashit
    murashit 2021/01/07
    トトロのくだり、読んだだけでも興奮してしまうなこれは
  • 『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ 「よく知らないひと」について私たちが知っておくべきこと』 - タイドプールにとり残されて

    トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~ 作者:M・グラッドウェル 発売日: 2020/07/10 メディア: Kindle版 マルコム・グラッドウェルさんの『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』を読んだ。いろいろなところで話題になっているであり、実際に素晴らしいなのだが、そういうすごいってじつは個人としては読んでも読まなくてもそんなに変わらないこともある(こういうことが書かれているだろうな、と予想していたのとだいたいおなじことが書いてあったり、自分が読まなくてもみんなが読んでいるのでどんどん世界に浸透していって特別な知識ではなくなったりする)のだけど、このは実際に自分で読んだほうが良い。 その理由をふたつあげて、今日はおしまいにしましょう。 理由1 面白い 「警察官が女性の運転する車を交通違反で止めた。彼女は自殺してしまった。なに

    『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ 「よく知らないひと」について私たちが知っておくべきこと』 - タイドプールにとり残されて
    murashit
    murashit 2020/12/27
    きになる
  • 禁書目録 - タイドプールにとり残されて

    禁止されたの思い出を使って、人生をふりかえっていくことができる。 そう言われたのをはっきりと覚えている最初の思い出は、小学校の図書室。低学年向けの絵コーナーに読みたいがなくなってしまったので、いいとも言われていなかったけどだめとも言われなかった、中学年以上のいる図書館丸のほうに行ったら、見つかって先生に怒られたのだった。「こっちのはまだはやいです! もどりなさい!」 この先生はべつのときには「いいよ、じゃあいっしょにさがそうか」といって丸をいっしょに歩いてくれたりもした。いまとなっては、……たくさんの生徒に責任を持つ先生、キャパのあるときとないときがあったんだな、とわかるが、当時服従心が強く、それなりにASD傾向のあった僕は、一貫性のない命令を受けることにとても戸惑ったのをおぼえている。 に書かれている漢字をたいてい読めるようになったころ、触れることのできるは爆発的に増え

    禁書目録 - タイドプールにとり残されて
  • 「あな」の話でいまだに盛り上がる - タイドプールにとり残されて

    糖尿病で死んだ祖父は名刺の印刷所で働いていた。なので、その当時よく行っていて、ふたつ目の家のようであった母方の実家には、なにも書かれていないてごろな紙切れ(=名刺の赤ちゃん)が山のように置いてあった。 当時(=僕が7歳くらい)、それほどおもちゃを買ってもらえず、日々を過ごすのに必要な遊びをある程度自給しないといけなかった僕たち(=僕と3歳下の弟)はそれに目をつけた。 こういうカードをたくさん作って戦いはじめたのである。友達がやっていて、たまにカードを見せてもらったりしていた「遊戯王デュエルモンスターズ」を見よう見まねで作ったゲームだったのだが、見よう見まねゆえの限界があり、家にはある「いけにえ」「ライフポイント」「守備表示」といった重要な概念がなかった。 なので、とりあえず自分で強いモンスターを描き、手札にきたモンスターは片っ端からぜんぶ召喚し、場のモンスター同士が攻撃しあい、書き込まれ

    「あな」の話でいまだに盛り上がる - タイドプールにとり残されて
    murashit
    murashit 2020/09/29
    良い……