過去の傷を薄めるため……。「してくれる」相手が欲しい……。 性暴力の記憶、セックスレスの悩み、容姿へのコンプレックス――それぞれの「限界」を抱えて、身体を売る女性たち。 そこには、お金だけではない何かを求める思いがある。 ノンフィクションライターの小野一光が聞いた、彼女たちの事情とは。 前回までで明らかになった、SМクラブで働く女子大生・アヤメが過ごした高校までの壮絶な日々。今回は、大学入学後に彼氏を作り、落ち着いたかに見えるアヤメが、その後も風俗で働き続ける理由を聞いた。 全てを知って、応援してくれる彼氏 「彼氏は、同じ学校の同級生なんですけど、仲良くなってから、自分の過去について隠さず話したんですね。そうしたら彼は、過去と向き合おうとしている私と一緒にいると言ってくれたんです。そこで一旦、自分自身の整理がつきました。それまでは、自分の経験が受け入れられることはあり得ないと思ってて、記憶