僕はこれまで、人生をかけてヘヴィ・メタルの包容力について語り続けてきた。 人生をかけてヘヴィ・メタルの包容力について語り続ける人というのはあまり他に類を見ないし、なかなかに怪しいし、自分の上司だったら即退職するだろうけど、とても大事なことなので語らざるを得ないのだ。 では、ヘヴィ・メタルの包容力ってなんだろう?僕はね、基本的にヘヴィ・メタルの世界では "ありのままの自分" でいられることだと思う。 生まれた国、性別、宗教、言語、抑圧、喪失、悲しみ、苦しい現実…そうした "鎖" から解き放たれて、ただ "メタルが好き" な自分でいられる場所。 もちろん、今だにジャンルの "門番" のような人もいるけれど、ここにいる多くの人たちはメタルを愛する同胞にとても優しく、そして寛容だ。なぜなら、ヘヴィ・メタルには "卒業" がないからね。一度ここに入ったら、メタルは "人生" になる。それを知っている