客による暴言や理不尽な要求などの迷惑行為を指す「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。全国の鉄道で2022年度に確認した駅員や乗務員へのカスハラが1124件に上ったことが、国土交通省による初めての調査で判明した。同省は、鉄道の安全確保に影響が及ぶ恐れがあるとして、悪質なケースは警察に通報するよう促している。 「対応が遅いから子どもがぐずった。膨大なフォロワーがいる私のSNSに載せる」。7月のある日の夕方、駅窓口で対応した駅員は、30代の客からこう強く迫られた。客の求めに応じて切符の変更と払い戻しをする際、変更内容を復唱したら激怒されたという。