男のピストン運動を示す言葉について、こんなことが言われている。曰く、抽迭が正しいのに、誰かが間違って抽送を使いはじめたために間違った方の表現「抽送」が広まってしまった……。出典はフランス書院のフランス文化用語辞典である。 フランス書院「フランス文化用語辞典」他の多くの方が指摘されている通り、フランス書院の説明は間違いである。全13巻の日本最大の『日本国語大辞典第二版』にも、そして『字通』にも、抽送と抽迭はない。抽迭なんて日本語はないし、抽送も正式な日本語としては存在しない。フランス書院の説明では、「抽迭は正しい表現でちゃんと辞書にあるんだけど抽送は辞書にない」ということになるが、日本最大の辞典に抽迭がないにもかかわらず、フランス文化用語辞典のように説明することはできない。 ぼくが調べた限り、「抽送」が載っている辞典はただ1つ。小松圭文編著『いろの辞典改訂版』(文芸社、2000年)のみである
書籍などで、主に本文が配置されている部分を版面(はんめん、はんづら)という。小説は版面によって、読んだときの印象や、読みやすさが大きく変わる。このため、版面の作りに大きな労力をかけて小説を書いているのが、小説家の京極夏彦氏だ。 2018年6月2日に東京・下北沢の書店「本屋B&B」で「[京極夏彦×装丁夜話]京極夏彦の版面」というイベントが開催された。このイベントを企画したのは、装丁家の折原カズヒロさんと坂野公一さん。今回は、坂野さんがこれまでに何冊もの装丁を手掛けた作家京極夏彦さんを呼んで、版面づくりの詳細を語ってもらった。 版面によって読み味が違う 京極です。坂野さんとのお付き合いは古くて、彼が「独立するんです」と報告にきた際に、じゃあ初仕事に『豆腐小僧』の装丁を、と依頼したんですが、まさかこんなに立派な装幀家になるとは思いませんでした。「装丁夜話」のスペシャル版ということで呼んでいただい
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