今年5月に日本に一時帰国し、企業をめざす人ら約70人を前に、自らのアフリカでのビジネスについて講演する金城拓真さん=東京都豊島区 【榊原謙】アフリカ8カ国で約40の会社を経営し、年商300億円をあげる31歳の青年社長がいる。競争を好まず、英語も話せない。一見、海外でビジネスをするには「草食」すぎるように映るが――。 沖縄県出身でタンザニア在住の金城拓真さん。地元の国立大学の受験に失敗し、韓国の「誰でも入れる三流大学」に進んだ。手元にあった学費を使って韓国の中古車を安く仕入れ、友人のアンゴラ人を通じてアンゴラで売ってもらうと、思わぬもうけが出た。アフリカとの出会いだった。 卒業後の2007年、タンザニアに渡り、今度は日本で仕入れた中古車を売り始めた。タンザニアを選んだのは、日本と同じ右ハンドルの国だったから。南アフリカやケニアなども右ハンドルだが、「既に日本の企業が進出していたので避け