日本の農業関係団体や農林水産省が全力を挙げて阻止しようとしている環太平洋経済連携協定(TPP)で、農業に関する最大の争点は言うまでもなくコメにある。ウルグアイラウンドをはじめ、これまでの貿易自由化の動きに際しての姿勢と何も変わってはいない。だが、アジア域内でみれば日本がコメ輸出国になる道も静かに開け始めている。ポイントは「ジャポニカ」と「水」にある。コメは大きくジャポニカ種とインディカ種に分け
高橋 初めに申し上げておくと、僕はいわゆる中国専門家ではありません。あくまでも農業の専門家、食料の専門家です。多くの中国専門家は中国そのものを研究していますが、私は中国という国を研究しているのではなく、中国で生産されている食料について、農作物を実際に作っている農民について、さらには、どういう農地を使って農業をしているか、どのような生産をしているか――といったことを研究しています。 中国の農業を本格的に研究し始めたのは15年ほど前になりますが、それまでも様々な国の農業を研究してきました。日本はもちろんのこと、アジアや米国、ヨーロッパなどで農民に話を聞き、農業の実態を調査してきました。私の関心事は、日本で消費している食料がどのように作られているか、農民がどのように食料を作っているか、その暮らしぶりはどうなっているか、というところにある。 ―― 中国の農業を研究しようとしたきっかけはどこにあった
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