昨今、国内企業の間でも、ビジネス・プロセス改革への意欲が高まってきた。だが、その道筋が明確に描けている企業はまだ少数派であろう。そうした中、自動車大手の日産自動車は、IT部門が中心となり、全社レベルでビジネス・プロセスの標準化に取り組むことで、改革/改善を進めていくうえで不可欠な社内の“共通前提”をはぐくんできた。同社の取り組みを通じて、IT部門がビジネス・プロセス改革に踏み込んでいくうえでのヒントを探ってみたい。日産自動車 グローバル情報システム本部でEA活動を牽引する大関 洋氏は、同社におけるビジネス・プロセス標準化の取り組みのゴールを、「業務について語るとき、すべての人が当たり前のように我々の定義したプロセスの名称を使い、その枠組みの中で改善策を考えてくれるようになること」と語る。そうした土台がしっかりと根づいて初めて、真の意味でのプロセス改革が始まるのだ。 photo by 金田