エンタープライズITがダメになった理由の1つに「ベンダーロックイン」と言われる、ある特定ベンダーへの過度な依存による自社組織の弱体化が挙げられます。情報システム子会社についても、親会社がそこに100%依存している状況はベンダーロックインの一形態です。これを解消するため、内製化などに取り組む情報システム部門も増えています。 このベンダーロックインの解消について、経営理論の1つである「資源依存理論」をベースに考察してみます(参考文献:『世界標準の経営理論』入山章栄著、ダイヤモンド社刊)。この理論によると、依存関係を軽減・解消するために取り得る戦術は3つあります。①抑圧の軽減、②抑圧の取り込み、③抑圧の吸収です。この3つの戦術をベンダーロックイン解消に適用した際にどのような取り組みになるのかについて、私見を述べます。 ① 抑圧の軽減 あるプレーヤーへの依存度を下げるために、他のプレーヤーを加える