また靖国の夏がやってきた。複数の閣僚や安倍晋三前首相が靖国神社に参拝し、菅義偉首相は参拝せず玉串料を納めた。 中国は「強烈な不満と断固たる反対」を、そして韓国は「深い失望と遺憾」を表明した。いわば毎年恒例の茶番劇である。 国に殉じた先人に対し、国民が尊崇の念を表し、感謝し、平和を誓うのは世界の常識である。 米国ではアーリントン国立墓地に、韓国ではソウル国立墓地(国立顕忠院)に、フランスでは凱旋門の無名戦士の墓に、国家のリーダーが国民を代表して参拝する。 外国の要人来訪時も、まず参拝し献花するのが国際常識である。だが日本だけが違う。 平成25年(2013)年12月26日、安倍晋三首相が靖国参拝して以来、現職首相は参拝していない。日本はなぜ国際常識に沿ったことができないのか。 靖国神社は、大村益次郎の発案のもと、明治天皇の命により、戊辰戦争の戦死者を祀るために明治2年(1869年)に創建された