新型コロナウイルス感染急拡大に伴う緊急事態宣言が群馬県に発令され、県が不要不急の外出自粛を要請する中、県外ナンバーの車に「二度と群馬県に来るな」と書かれた紙が張られていたことが29日、分かった。紙を張られた車は長野ナンバーだったが、所有者の20代男性は群馬県に引っ越している。上毛新聞の取材に男性は「今どき、こんなことがあるのか」と驚いた様子だった。 男性は28日午後4時半ごろ、ショッピングセンター「前橋リリカ」(前橋市国領町)の駐車場に駐車。約30分後に買い物を終えて戻ると、紙が張られていたという。県外ナンバーへの一方的な内容に恐怖を覚えたという。男性は張り紙の写真をツイッターに投稿した。 張り紙には「コロナウイルスを都会から一生群馬県に持ち込むな!二度と群馬県に来るな!!ネット上にナンバープレートと車体を晒(さら)します」などの言葉が並んだ。文章の最後には、「城東町三丁目自治会」と書かれ
東京都内の定席の寄席4軒と落語協会、落語芸術協会は28日、5月1日から11日まで休業することを公式ページなどで発表した。 都の無観客開催要請に対し、寄席側は24日に「社会生活の維持に必要なもの」との声明を出し、一度は営業継続を決めていた。落語協会は一転休業となることについて「『休業要請』ではなく『無観客開催要請』のため、演芸場の性質上無観客開催を受け入れることはできず、25日以降有観客開催を継続してまいりました」と説明。都からあらためて「休業要請」があったため応じたとした。 ある落語関係者は「休業に対する補償をどうするかは都の方で検討してくれていると思う。営業を支持してくれたお客様は寄席に声を寄せてくれたり、足を運んでくれたと思う。ただクレームの電話もあったことは確か」と、営業継続に賛否両論あったことを明かした。
新型コロナウイルス感染拡大による3度目の緊急事態宣言は25日、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県で発令される。今回は商業施設や遊技施設など多岐にわたって休業要請。都内の百貨店などは大型連休をターゲットにした催事も打ち切りを余儀なくされるため、24日は対応に追われた。今回は5月11日までの短期集中を国や東京都は強調している。一方、自粛を見据えた駆け込みでの外出や会食も目立ち、各所で人の流れが急増していた。 ◇ ◇ ◇ 休業要請を受けた百貨店。大型連休に向けて、少しでも癒やしや安らぎを与えようと企画された催事。つかの間の外出を楽しみにしていた国民、都民。すべてが緊急事態宣言を前日に控えて、準備に大忙しとなった1日だった。 今回の対象に加えられた「1000平方メートル超の大型商業施設」。都内の主要百貨店は軒並み該当。対象除外の「生活必需品」と認められた地下の食料品店街を除く、ほとんどのフロ
新型コロナウイルス対策の特別措置法や感染症法に過料など罰則規定を盛り込む改正について、先崎彰容・日本大危機管理学部教授に聞いた。【聞き手・佐野格】 「『お願いします』という要請だけでは国民に届かない」 今回の改正案は、私権制限が強まることを危惧する指摘はあるが、過料など具体的数字を明示した点は評価すべきだと思う。危機管理の原則からすれば、緊急事態宣言は、強い内容で短い間に絞り発出すべきだ。自助努力を原則とするわが国では、「強烈なインパクト」を与えることが重要なのだから、政府が具体的な数字や規定を設けて効果的な印象付けをするのがよい。さもないと、逆に正義感が先鋭化し、市民それぞれによる「自粛警察」のような行動を助長する恐れもあるからだ。 昨年春の最初の緊急事態宣言時は、政府が「伝家の宝刀」を抜いたという驚きがあった。しかし、2度目の1月の宣言に驚きはなく、国民の行動変容は昨年ほど期待できない
駒大の大逆転Vで幕を閉じた大会には、やはり一定数の観戦者が集まってしまった。特に都内が顕著で、ゴール地点の東京・大手町には、拍手だけでなく、カメラやスマートフォンでランナーを撮影する人が多く詰めかけた。「密」に見えるエリアがあった。 新型コロナウイルス感染拡大下の開催。主催者は「応援したいから、応援に行かない」というキャッチコピーとテレビCMを何度も流して観戦自粛を求め、中継局の日本テレビ系も現地応援を控えるよう協力を求めるテロップを出し、呼び掛けてきた。大会本部は前年比で約85%減となる18万人が今年の観戦者数だったと発表したが、人垣ができるポイントもあった。 復路6区9・0キロ地点の箱根小涌園前では、創価大・浜野将基(2年)がトップ通過した際、沿道から拍手が沸き起こったのを皮切りに、スタート時の2分21秒差を1分8秒差に縮めた区間賞の駒大・花崎悠紀(3年)ら、選手が駆け降りるたびに拍手
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新型コロナウイルスに感染した人や家族、医療従事者らが、いわれなき差別や中傷を受ける事例がインターネット上で次々と表面化している。同志社大教授で世界人権問題研究センター(京都市)所長の坂元茂樹氏(国際法)は、ハンセン病患者への差別撤廃に取り組んできた経験を踏まえ「私たちは、互いを思いやれる社会を、コロナウイルスによって奪われないよう行動すべきだ」と訴える。(井原尚基) ー患者らに対してだけでなく、医療従事者の子が保育所から登園を拒否されるといった事例が報告されている 「感染を過度に恐れる心が、患者のみならず医療従事者やその家族らまで差別する事態を招いている。新型コロナウイルス感染症は恐ろしい病気だが、真に恐れるべき対象はウイルス。決して感染した人ではない。 私たちは誰もが病気になる可能性があり、医療従事者に送るのは差別のまなざしではなくエールであるはずだ。今、最も大切なのは、密閉、密集、密接
多くのトラックが出入りする運送会社の倉庫。ドライバーたちは感染防止を図りながら、物流を支えている=福井県福井市の北陸トラック運送 新型コロナウイルス感染拡大の中、物流を支える長距離トラックの運転手。県境をまたいで移動することから、いわれなき差別を受けるケースも福井県外ではみられる。県内ドライバーも差別や中傷を恐れながらも業務に当たり、業界団体では「物流が止まれば経済が止まる。荷物が届かないと困るのは誰か、考えてほしい」と訴えている。 ⇒県外ナンバー車にあおり運転や投石 「トラック運転手がコロナウイルスを運んでいるのではないか、などと言われる。みんな気を付けているし、感染なんかしたくない」。福井市の長距離運転手の男性(38)は、語気を強める。県外では4月、トラックドライバーの家族が、学校から子どもの自宅待機を求められるなど深刻な差別を受けるケースもある。 男性運転手は、北は青森、南は鹿児島と
病院や区役所に嫌がらせ 医療関係者や自治体職員らの新型コロナウイルス感染が相次いだ北九州市で、深刻な風評被害が発生している。院内感染が起きた病院には嫌がらせの電話が相次ぎ、職員の感染が判明した区役所には「公務員なんだから名前を明かせ」などと迫る電話が何度もかかっている。医療従事者の子どもが保育所に通えなくなる事態も起きた。差別や偏見が関係者を追い詰める風評被害の現場を追った。 きっかけは休診を知らせる張り紙だった。 北九州市のある診療所は4月、患者と医療スタッフの感染が確認された。市から診療所名を公表するよう相談されたが、風評被害を恐れて断った。患者の感染と休診を伝える張り紙を入り口に張った。 すると、何人かが張り紙を写真に撮ってツイッターに投稿した。張り紙の診療所名も写っていた。 慌てて診療所名を削除した張り紙に換えたが、遅かった。情報はどんどん拡散し、電話が鳴り続けた。無言や「ワン切り
緊急事態宣言の延長を巡り、徳島県では、図書館や公園などの県立の施設については7日と8日を準備期間とした上で、5月9日から順次再開していきます。 しかし、利用は県民に限り、県外からの客の利用を断るために、各施設では身分証による住所確認を徹底する方針です。これについて徳島県民は… 「いまは時期が時期やけん仕方ないんじゃないですかね。」 「県内の人と県外の人の見分けというか、それができるのかなというのは正直思う。」 「コロナがなくなった時に、阿波踊りとかそういった時に『徳島って閉鎖的だったんだな』と思われるので、そこは賛否両論あると思うんですけど。」
コロナ自粛と「意識低い系」たちの反抗 不要不急は人それぞれ 小さな生活の自己決定権をめぐる争いの現場 清義明 ルポライター 狭い空間に密集し、一心不乱にパチンコの盤面にむかっている人々の群れがいた。満員である。 低い天井に据えつけられたエアコンの風がめいっぱい降りかかり、入り口付近には背の高い大きなイオン効果の空気清浄機が備えつけられ、そこからもこれでもかと風が吹きつける。出入口には消毒液のスプレーをもったスタッフがいて、入ってくる客たちの手にスプレーをかけている。客はそれぞれ消毒液を手のひらでこすりながら、狭い通路に並ぶ背中をすり抜け自分の台のイスに座り、それから退屈そうに盤面の煌びやかに輝く液晶画面に向き合い始める。 盤面には「手洗い」と書かれたPOPが差し込まれていた。みな無言であるが、店内のBGMと盤面から出るけたたましい電子音で、たとえしゃべっていたとしても、耳を寄せなければ聞き
特定警戒外は「8割減」求めず 緊急事態延長も、一部自粛緩和―政府 2020年05月03日07時06分 政府は2日、新型コロナウイルスの感染防止に向けた緊急事態宣言が全国で延長されるのに合わせ、「特定警戒都道府県」以外の地域については、人と人との接触機会8割減を求めず、外出自粛要請などを部分的に緩和する方向で調整に入った。政府関係者が明らかにした。 5連休初日、無人の観光地 「町が死ぬ」不安の声―渋滞消え、SA閑散 政府は4日に対策本部を開き、6日に期限が切れる緊急事態宣言の全国一律での延長を決定。安倍晋三首相は4日午後6時から記者会見に臨む。これに合わせ、新型コロナ対策の基本的対処方針を改定。東京都や大阪府など感染拡大が引き続き懸念される特定警戒都道府県では人と人との接触8割減を継続しつつ、それ以外の地域では外出自粛や休業要請を緩和すると明記する方向だ。 具体的には、特定警戒都道府県以外で
政府は2日、新型コロナウイルスに関する「緊急事態宣言」を期限の6日以降も延長することに伴い、感染者が多い東京、大阪、北海道など現在13ある「特定警戒都道府県」を除く地域で、これまで政府が国民に求めてきた「接触機会の8割削減」を緩和する方針を固めた。感染の少ない地域では小規模イベントに伴う施設使用や、小店舗の営業などの社会・経済活動を、席間を空けるなどの感染防止対策徹底を前提として容認する。4日の延長決定に伴って改定する「基本的対処方針」に盛り込む。 不要不急の外出や県境をまたぐ移動、大規模イベント開催、夜の繁華街の飲食店利用などは引き続き全国的に自粛を求める。また、健康維持のための散歩などを外出自粛の対象外とすることや、公園開放の際の留意点なども示す。
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上野・アメ横商店街のかばん屋の店先で販売されているマスク。かばんの問屋からマスクも仕入れているという=東京都台東区で2020年4月22日午後1時13分、五十嵐朋子撮影 新型コロナウイルスの影響でマスクの需要が高まる中、雑貨屋の店先や路上でマスクを売っている光景を目にするようになった。ドラッグストアなどの量販店では品薄が続いているのに、なぜ街角にはマスクがあふれているのか。 中国の業者「売り込み」 「マスクありますよー」。4月中旬、東京都中野区の中野サンモール商店街。靴屋の店先で店員が呼び込みを始めた。不織布の使い捨てマスクが5枚入りで490円だが、飛ぶように売れていく。約1年前は小売店での平均単価は1枚18円だったので5倍以上。池袋のタピオカ屋の店先では、無造作に置かれた段ボール箱で50枚入り3500円のマスクが売られていた。 最近になってマスクを取り扱うようになった東京都杉並区の洋服雑貨
新型コロナウイルスの感染防止に伴う休業要請に応じず、福岡県が29日に店名を公表したパチンコ店のうち、福岡市南区の店は30日も通常通り営業し、開店を待つ客が朝から長い列をつくった。 この店では午前10時の開店1時間前から整理券が配られ、少なくとも約150人が並んだ。マスク姿の店員がアルコールスプレーを客の手に振りかけ、1メートルほどの間隔を空け入店させた。店内でも席を一つずつ空けるようにしているという。 店名公表により営業していることを知った客も多いとみられ、福岡市のガソリンスタンド店勤務の男性(35)は「友人からこの店が開いていると聞いて、不安もあるが時間があるので来た」。同市の建設業男性(40)は「新型コロナに感染しても自分のせい。一人暮らしだし気にしない。スーパーやコンビニに行くのと同じだ」と話した。一方、通りかかった近くの60代女性は長い列を見て「もう少し危機意識を持ってほしい」と顔
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