東日本大震災の被災地で最も早く仮設住宅を設置した岩手県陸前高田市が8日、10日に入居を予定している避難者に「入居後の物資は自立の方向で考えていただきたい」と説明した。入居予定者は「これでは生活できない」と猛反発している。厚生労働省災害救助・救援対策室は「災害救助法上は通常、仮設住宅の入居者への物資支援はしていないが、困っている人がいれば柔軟に対応してほしい」とコメントしている。 陸前高田市は約7300人が避難所生活を送っており、5月中に必要なすべての仮設住宅の着工を終える方針。第1陣として10日、市立第一中学校内に完成した36戸への入居が始まる。 冷蔵庫やテレビなどの家電製品は日本赤十字社の寄付でそろったが、水道や光熱費は自己負担。さらに市は8日の入居予定者説明会で、入居者の「自立」を求めた。 説明会に参加した女性(35)は「まったく想像していなかった。どうやって食料を調達すればいいのか」