テクノロジーの重要性に気づいてこなかった「マヌケ」な安倍政権 「アポカリプス」後の世界を読み解く 塩原俊彦 高知大学准教授 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が「アポカリプス」(apocalypse)を招くと書くと大げさすぎると思われるかもしれない。アポカリプスとは、新約聖書にある「ヨハネの黙示録」に由来する。その内容は、世界および人類が最後には破滅を迎える運命にあると説く宗教上の思想である終末論的であったから、「人類滅亡」や「最後の審判」といった意味をもつ。 このアポカリプスのイメージは、人類がいま直面しているCOVID-19によるパンデミックに重なる。「マタイによる福音書」のなかで、イエス・キリストは「終わりの時」の出来事を子どもの出産にたとえた。母親は出産までに陣痛を何度も体験する。その間隔は次第に短くなり、痛みはひどくなる。この陣痛こそ、人類が直面した疫病や感染症による危