端から端まで車で2時間しかかからないような狭い地域を見れば、広大な国の経済の変遷がかなり分かる。 中国南部のこの一帯は、毛沢東が外国人を追放する以前は外国人保留地だった旧条約港の広州から、毛沢東の死後、民間企業の実験場として作られた都市、深センまで広がる。 華南はこの10年間で、数千万人の出稼ぎ労働者が働く、世界屈指の経済成長の速さを誇る地域――衣料品や靴、電子機器の世界的な製造拠点――となった。 今、華南地域は、発展の凄まじさと同じくらい驚異的な経済収縮を経験している。過去1年間で、恐らく全体の3分の1から半数に相当する数千もの工場が閉鎖された。多くの工場が法に隠れて操業していることもあって、信頼できる統計はなかなか手に入らないが、不況の深刻さは明白だ。 出稼ぎ労働者の流れは反転した。新たに失業者の仲間入りをした出稼ぎ労働者の中には、街に残った人もいる(一部の人は新たな産業を始め