「今年、小学校の社会の教科書から『漢江の奇跡』という文言が消えました。1960年代から1980年代の、韓国の経済成長を表わすフレーズですが、この時代を否定すれば、韓国の経済発展への歩みが理解できなくなりかねないのですが……」 こう危惧するのは、神戸大学の木村幹教授だ。「漢江の奇跡」は長年、韓国人の誇りだった。朴正煕政権で成立した「日韓請求権協定」によって日本から得た5億ドルの経済支援で、韓国経済は奇跡的な高度成長を成し遂げ、今日の繁栄の礎になった。 だが、文在寅大統領(66)や周囲の人間は、この時代を評価したくない。日本の支援もあって経済成長した朴正煕政権を、最新の歴史教科書では「維新独裁」と否定的に決めつけ、日本統治時代をモデルにしたともいわれる農村振興運動「セマウル運動」も、記述が削除された。 また、文政権の教科書改訂は、初代大統領の李承晩にも及ぶ。1948年8月15日の「大韓民国樹立
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