かつて採用の現場では学歴が重視されていましたが、2000年頃にソニーが始めた革新的な採用方法を皮切りに、学歴ではなく「人物」を重視する採用にシフトしていました。ところが今になって、大企業を中心に「学歴重視」の採用が増加しているというのです。深刻な人手不足のなか、なぜ学歴重視へ回帰しているのか。東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、その理由と懸念点を解説します。 大企業を中心に急速に「学歴重視」に回帰している 最近の採用市場を見ていると、新卒(定期)・中途にかかわらず、学歴偏重の傾向を感じるようになりました。学歴に応じて差別に近い対応をするのは、おおむね大企業です。雇う側が採用にあたって学歴を重視するのは自由ですが、行き過ぎた学歴偏重はいかがなものかと首をかしげたくなります。 そうした危惧の声は、筆者のような人材コンサルタントだけでなく、採用事情に詳しいジャーナリストから