日本電産 永守帝国の自壊 9月に社長を解任して以降、日本電産の永守重信会長は「創業時の文化を取り戻す」ことに執念を燃やしている。後継者不在や株価低調など、昨今の経営混乱の“元凶”は他社から招聘した外部人材にあると断じ、いま一度、知的ハードワーキングに代表される永守流経営への原点回帰を図ろうとしているのだ。しかし、今や日本電産は売上高2兆円規模の大企業。創業経営からグローバル企業への脱却は焦眉の急だ。そんな折に、社長解任事件で永守会長の求心力の衰えが白日の下に晒されることとなり、人材流出に歯止めがかからない。来年50周年を迎える永守帝国では、静かに組織の内部崩壊が始まっている。 バックナンバー一覧 「一番以外は全部ビリ」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」――。日本電産社内では永守重信会長の言葉は“憲法”だ。希代のカリスマ経営者の経営哲学や教えが社員のよりどころとなってきたことは間違いない