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インフルエンザ・肺炎死亡における超過死亡について インフルエンザの流行は社会に大きな影響を及ぼすが、外来受診者数や、インフルエンザあるいは肺炎を死因とする死亡数、医療費など、しばしば取り上げられる統計指標をそのまま「社会へのインパクト」とするには、それぞれに欠点がある。まず、インパクトは、実際の患者数の多さ、その重症度、毎日の生活への支障、個人的・社会的経済的損失、医療費、精神的な影響などのすべてを包括的に検討して求めるべきであるが、インフルエンザの医療機関を受診しなかった患者を含めた総患者数を把握することは事実上困難である。重症度は、病原体、環境、患者側などの複数の要因で決定されるため、死亡数は罹患者数と単純には比例しない。健康への影響や医療費の場合、軽快した場合と死亡した場合で大きく異なり、経過別の患者数の把握が必要となる上、総額、個人負担問わず、医療費情報そのものが調査されていない。
『「血液一滴」あるいは「尿一滴」で、がんを早期発見!』という話は以前からたくさんあるが、なかなか実用化されない。こうした、少量の体液からがんを診断する技術を「リキッドバイオプシー」と呼ぶ。現時点では、一定の精度でがんを診断できるリキッドバイオプシーは複数あるが、がん検診に有効であると証明されたものは一つも存在しない。がん検診に応用するには、がん死亡率を低下させることが示されなければならず、これがハードルが高いからだ。 ある検査ががんを診断する能力を検証するのはどうすればいいだろうか。よくあるのが、すでにがんと診断された人にその検査をして、どれぐらいの割合で陽性になるのかを調べることだ。また、がんではない人を正しくがんではないと診断する能力も必要なので、健康な人にもその検査を行って正しく陰性になる割合を調べる。それぞれ数十人ずつ調べればだいたいのところはわかる。研究に参加した時点で診断はつい
東京電力福島第一原発で建屋が爆発した2011年3月12日、福島県川俣町の避難所では40歳未満の避難者全員が甲状腺被曝を防ぐためにヨウ化カリウムを服用した 甲状腺検査は医学研究倫理に反している 本稿では福島で現在行われている甲状腺検査について考える。最初に結論を書いてしまうと、筆者はここで、甲状腺検査が医学研究倫理に反しており、受診者の人権を侵害しているので即刻中止するべきと提言する。 甲状腺に対する放射線影響の有無を知りたいという希望が医学の世界やあるいは広く一般にあるのはわかる。しかし、甲状腺がんのように進行の遅いがんを無症状のうちにスクリーニングで発見してしまうことには利益がなく害だけがあるので、その希望は捨てなくてはならない。科学よりも受診者個人の利益が優先するというのが倫理だからである。 放射線影響は九分九厘ないと考えられるが、もちろん絶対にゼロだとは言い切れない。だからといって、
がん検診にまつわる誤解は根深く、医師でもけっこう間違えている人がいます。ただ、医師国家試験にがん検診が有効である根拠を問う問題が出題され、若い世代の医師はがん検診の疫学をより正確に理解しているものと思われます。 厚生労働省のサイトに過去問がありましたので、ここで引用・紹介します。さて解けますか?このブログの読者は、その辺の平均的な医師と比べると、ずっと正答割合が高いのではないかと思います。 第106回医師国家試験問題より。 集団に対してある癌の検診を行った。 検診後に観察された変化の中で、検診が有効であったことを示す根拠はどれか。 a 検診で発見されたその癌の患者数の増加 b 検診で発見されたその癌の患者の生存率の上昇 c 集団全体におけるその癌の死亡率の低下 d 集団全体におけるその癌の罹患率の低下 e 検診に用いられた検査の陽性反応適中率の上昇 答えは下のほうに。 正解c. 検診後に集
近年日本では、「国民の2人に1人が一生に一度は「がん」と診断される」と推計されている(85歳までの年齢を5歳ごとに区切って算出する「年齢階級別罹患率」による)。 また、国立がん研究センターがん対策情報センター公開の以下のグラフを見ると、日本人のがんによる死亡率も、高齢になるほど増加していることがわかる。平均寿命が延びたことや社会の高齢化が、がんの罹患率や死亡率増加の最大の原因であると言える。 がん対策は、「予防」と「治療」に大きく分類される。 がん予防としては、発がんリスクになり得るとされるもの(注1)を控えたり、逆に発がんリスクを下げ得るとされるものを生活に取り入れたり、またごく一部のがんについては、予防的に服薬をしたり手術をしたりすることなどがあげられる。 (注1)農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん物質について」 しかし、たとえばあるがんの予防に効果が認めら
【2023/12/20】【更新】まとめ作成時のツイートの取得や投稿にエラーが表示される場合がありましたが、現在復旧しており正常にご利用いただけます。ご迷惑おかけいたしました。
まとめ 津田敏秀氏が福島県の甲状腺検査データを解析、「甲状腺がんが多発、原因は被ばく」と主張する論文を発表 まとめ「「津田敏秀氏が福島で甲状腺がん多発の論文を公表予定」との韓国発ニュースから始まった議論」http://togetter.com/li/876375 の続編です。 論文はこちらで無料で読めます(2014年12月31日現在のデータを解析)。 http://journals.lww.com/epidem/Abstract/publishahead/Thyroid_Cancer_Detection_by_Ultrasound_Among.99115.aspx 補助データ(2015年3月31日現在のデータの解析結果) http://links.lww.com/EDE/A968 94745 pv 1409 103 users 797
早期発見・早期治療が常に良いとは限らない 癌は早期発見・早期治療が大事だと言われているが、いつでもそうだとは限らない。他のあらゆる医療行為と同じく早期発見・早期治療にはメリットと同時にデメリットがあり、そのバランスを考える必要がある。早期発見・早期治療のデメリットの一つが、過剰診断である。ここでは、過剰診断とは「治療しなくても症状を起こしたり、死亡の原因になったりしない病気を診断すること」と定義する*1。癌を早期発見しようとすると、治療せず放置しても症状を起こしたり、死亡の原因になったりしない癌を診断してしまう恐れがある。 癌を放置しておいても自然に治癒することはなく、局所浸潤したり転移したりして治りにくくなると一般に思われているためか、癌の過剰診断について理解が得られにくいことがあるようだ。まず最初に、過剰診断の典型的な事例を考えることが理解の助けになるだろう。前立腺癌の死亡率と比較して
シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」 作者: ネイト・シルバー,西内啓,川添節子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2013/11/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (25件) を見る 本書は2008年と2012年のアメリカ大統領選挙の州ごとの勝敗を驚異的な精度で予測したことで一躍有名になったネイト・シルバーによる統計的な手法を駆使することによる予測についての本だ.原題は「The Signal and the Noise: Why So Many Predictions Fail - but Some don’t」 序章では予測にかかる今日的な問題が書かれている.1970年代までの様々な予測は「少ないデータからどう予測するか」が問題だった.現在では「多すぎるデータをどう使うか,どうノイズとシグナルを見分けるか」が問題になっているのだ.シルバーはいわゆる「ビッグ・
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僕はネイト・シルバー。FiveThirtyEightの創設者だ。このブログはニューヨーク・タイムズの読者向けに、データで溢れかえり雑然としたこの世界を、わかりやすく解き明かしている。また、「シグナルとノイズ」という、”予測”の世界についての本を書いた。Amazonで購入できる。 なんでも聞いてくれ。特にお話したいのは、2012年の大統領選の予測、どのようにして投票の流れが変わったか、アメリカの財政やスポーツについてだ。 元スレ: IAmA blogger for FiveThirtyEight at The New York Times. Ask me anything. (訳注: ネイト・シルバーはセイバーメトリクス(野球で、データの統計学的分析から選手を評価したり戦略を考える手法。日本では映画「マネー・ボール」で有名になった)を用いたシステムを開発したのち、選挙予測の世界へ進出すると、
【科学】 2010年8月25日 司法関係者が統計学を理解できないと – サイエンスポータルレビュー この記事にはちょっとびっくりしました。何がびっくりしたって、記事中で紹介されている法廷の現場における科学者の証言の扱いについてです。 最初の基調講演者、津田敏秀・岡山大学大学院環境学研究科教授の指摘からも事態の深刻さが読み取れた。津田氏は疫学が専門の医師として、水俣病を初めとする多くの環境裁判の法廷で証言してきた経験を持つ。 氏の指摘の中で、多くの人がありそうだと感じるだろう、と思われることがあった。裁判官を含む司法関係者の多くが、疫学の基本である統計学を理解していないということだ。確率というものが理解できない結果、「95%の確率でこれこれのことが言える」という科学者の証言に対し、「では残り5%はどうなのか」といったやりとりにしばしば論点が移され、結果的に「5%」の方が勝ってしまうことが「日
[我らは日々、嵐に立ち向かう] さて、我々の生活は常に困難に満ちています。 (事例その1)満員電車の中で突然、お腹が痛くなったのに、事故で電車が止まってしまったり(しかも、駅に到達する直前に!)、 (事例その2)明日定期テストなので一夜漬けをしようと思ったがうっかり寝てしまって、起きたらすっかり朝だったり、 (事例その3)通貨発行権を国民から付託されているはずの中央銀行がデフレになったらその職務を放棄し、「いや、我々はもう出来る事はありません」と言張ったり・・・ そう、困った事に我々の生活は常に困難に満ち満ちていますね・・・ 僕はそんな中でも、いつも出来る限りユーモラスな回答を求めています・・・いや、まあ、そんな都合のいいものが得られるかどうかはまた別の話ではあるんですが・・・回答がないにしても日々の生活はユーモラスであってほしいといつも思っています。 [実名と匿名と] インターネット上で
,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;; {;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; 回帰分析なんてExcelで一発…… ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙ そんなふうに考えていた時期が `Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> 俺にもありました ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f ~''戈ヽ `二´ r'´:::. `!松尾先生のこのページとsvnseedsさんのこのページに関してなのですが、非常に興味深い分析だと思います。ただし、少し確認していただきたいことがあります。 回帰分析を学ぶと一番最初に「線形回帰モデルの古典的仮定」というものを習います。非常に重要な仮定なので、少し解説しておきたいと思います(ただし、記述は正確ではないので、正しくはHayash
ネイルで使う材料で、DIY時の木割れやネジ跡を派手にしたらかわいい OSB合板でちょっとしたボックスをつくりました。 ビス止め下手すぎて木を割ったり穴あけすぎたりした場所に、好きな派手色の樹脂を詰めてパテ代わりにしてみました。 ちょっと某HAYっぽみ出て可愛かったので、自分用にメモです。 手順 塗装 派手色グミジェルで失敗部分…
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