更新日:4月21日23時37分
絹田村子 @murak0 月刊flowersで「数字であそぼ。」を連載しています。 既刊「読経しちゃうぞ!」「花食う乙女」「さんすくみ」全10巻「重要参考人探偵」全7巻
その誕生を地元新聞も経済新聞も記事にしなかった。2年後、『コードの情報を白黒の点の組み合わせに置き換える』と最下段のベタ記事で初めて紹介された時、その形を思い浮かべることができる読者はいなかった。いま、説明の必要すらない。QRコードはなぜ開発され、どう動くのだろうか。 QRコードは、自動車生産ラインの切実な要請と非自動車部門の技術者の「世界標準の発明をしたい」という野心の微妙な混交の下、1990年代前半の日本電装(現デンソー)で開発された。 トヨタグループの生産現場では、部品名と数量の記された物理的なカンバンが発注書、納品書として行き来することで在庫を管理する。そのデータ入力を自動化するバーコード(NDコード)を開発したのがデンソーだ。 バブル全盛の1990年ごろ、空前の生産台数、多様な車種・オプションに応えるため、部品も納入業者も急激に増え、NDコードが限界を迎えていた。63桁の数字しか
銅錯体が青いのはなぜか。その化学的な理由を突き止める記事 後編 です。 今回はいよいよ 群論 が登場します! 「対称性」を使って色の仕組みがどのように理解できるのか!? 前編の内容を前提に進めますので、ご覧になっていない方はまずはこちらをご覧ください: tsujimotter.hatenablog.com 目次: 1. 点群:群を使って分子の対称性を理解する 2. 正八面体配位の点群 Oh 3. シュレーディンガー方程式の対称性と点群 4. 群の表現:点群による3d軌道の変換を行列で表す 5. 点群 Oh の表現の具体的計算 Eの表現行列 C2の表現行列 (1) C2の表現行列 (2) 6. 指標表:表を見れば既約表現がわかる 7. 平面正方形の点群 D4h 8. まとめ 参考文献 1. 点群:群を使って分子の対称性を理解する 前編の記事では、あくまで直感的に2価の銅イオンの錯体が青色にな
ごちすう(ご注文は数オリですか?) @gochisuu 偶然にも日本中が五輪の幕開けに沸いている中ですが、先日リモートで開かれた第62回国際数学オリンピック(ロシア大会)において、今年も日本選手全員のメダル獲得(金1銀2銅3)が決定しました!特に金メダルは2年ぶりの奪還です!みんな本当におめでとう!そしてお疲れ様!2年後はここ日本での開催です! 2021-07-23 22:12:36 リンク Wikipedia 国際数学オリンピック 国際数学オリンピック(こくさいすうがくオリンピック、英: International Mathematical Olympiad, IMO)は、毎年行われる高校生を対象とした数学の問題を解く能力を競う国際大会である。 テストは2日間あり、出場者は各1日4時間30分で、3問ずつ挑戦する。各問題は7点満点で採点され、満点は42点である。採点の結果、上位1/12位に
文系向け「統計学」の授業で、積分・対数・微分を復習する機会があった。その時の「1枚スライド」を公開した。この図をめぐって、「分かる」とはどういうことか、について多くのコメントをいただいた。それを、まとめました。(話が同時並行で進行するので、スレッド風の「まとめ」です。) 注意:積分は、統計学の場合、正規分布表を見るために必要。対数の必要性は、尤度関数(尤もらしさ)の対数をとって計算を簡単にする式変形で使うため。微分の必要性は、確率密度関数の最大値(尤度最大の条件)を求めるため。どれも統計学で必須の内容。 注意2:(追記8/6)ここに出てくる「指数、対数、微分、積分」は「感染症の数理モデル」の基礎となっている。 注意3:(追記8月9日)番外編『「積分」と「源氏物語」〜「晩年の清少納言」から「京都女子大」まで』へのリンクはこちらです。https://togetter.com/li/157284
未解明だった数学の超難問「ABC予想」を証明したとする望月新一・京都大数理解析研究所教授(51)の論文が、同所が編集する数学専門誌に掲載されることが決まった。3日、京大が発表した。ABC予想は、素因数分解と足し算・かけ算との関係性を示す命題のこと。4編計646ページからなる論文は、斬新さと難解さから査読(論文の内容チェック)に8年かかったが、その正しさが認められることになった。有名な数学の難問「フェルマーの最終定理」(1995年解決)や「ポアンカレ予想」(2006年解決)の証明などと並ぶ快挙となる。【阿部周一、松本光樹】 望月教授は2012年8月、構想から10年以上かけた「宇宙際タイヒミューラー(IUT)理論」の論文4編を、インターネット上で公開した。これを用いればABC予想など複数の難問が証明できると主張し、大きな注目を集めたが、既存の数学が存立する枠組み(宇宙)を複数考えるという構想は
数学の超難問「ABC予想」が、日本人によって証明される見通しになった。数学史に残る偉業だ。論文筆者である京都大数理解析研究所の望月新一教授(48)は、自身のホームページ(HP)以外での社会に向けた発信は限られ、それが一層関心を集めてきた。 数理研は米プリンストン高等研究所などと並び称される世界屈指の数学の研究機関。数学のノーベル賞と称されるフィールズ賞を受けた広中平祐氏や森重文氏ら著名な数学者が所長を務めた。 望月さんは東京出身。父の仕事の関係で幼少期に渡米、名門・米プリンストン大大学院で博士号を取得したのを機に帰国した。2012年に今回の論文を発表すると、ニュースは世界を駆け巡り、英科学誌ネイチャーは「(証明が)真実なら驚くべき成果」などと報じた。従来の数学の解き方と異なる独自の理論に基づく論文は500ページを超え、その後の修正で現在は600ページに。その分量、学術誌に掲載される前に自身
連載コラム 「生命科学の明日はどっちだ」 目次 第14回:全ての植物をフィボナッチの呪いから救い出す ロマネスコ(左)とマンデルブロ集合の一部(右) 植物にかかったフィボナッチの魔法 このオーラ全開の野菜、なんだか知ってますか。 そう、最近デパートなんかではよく見るようになったロマネスコというカリフラワーの仲間である。 一説によると、悪魔の野菜とか、神が人間を試すために作った野菜とか言われているらしい。 なんと言っても凄いのは、フラクタル構造がめちゃめちゃはっきり見えること。 まるでマンデルブロ集合みたいだ。 ね、似てるでしょう。フラクタルがこんなにはっきり見える構造物は、他には無いんじゃないかな。 この植物が面白いのは、それだけでは無い。 実の出っ張った部分をつなげていくと、らせん構造がくっきり見えてくるでしょう? そのらせんの本数を数えてみよう。 右向きのらせんと左向
竹中平蔵氏が twitter で以下の発言をした。結論から言うと、「あえて単純計算」する限り竹中平蔵の算数は正しい。(こんなどうでもいい話より、このblog内で原発関係で今一番読んでもらいたいのはこれなので、併せて宜しくお願いします。) 30年で大地震の確率は87%・・浜岡停止の最大の理由だ。確率計算のプロセスは不明だが、あえて単純計算すると、この1年で起こる確率は2.9%、この一カ月の確率は0.2%だ。原発停止の様々な社会経済的コストを試算するために1カ月かけても、その間に地震が起こる確率は極めて低いはずだ。 2011-05-10 08:03:08 via web これに対する反応は何通りかある。 竹中平蔵は馬鹿じゃないの。ポアソン分布なんだから、30 年で割ったら駄目だろ。1 年当たりの発生確率は 6% だ。 発生確率は毎日 87% だ。 いやいや、BPT 分布を仮定したら、ポアソン分
数覚とは何か?―心が数を創り、操る仕組み 作者: スタニスラスドゥアンヌ,Stanislas Dehaene,長谷川眞理子,小林哲生出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/07/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 144回この商品を含むブログ (31件) を見る 本書は認知心理学者スタニスラス・ドゥアンヌによる数量の認知や計算,そして数学に関する脳の仕組みにかかる本だ.ドゥアンヌはフランスの研究者で数学から認知心理学に転向したという経歴を持つ.原題は「The Number Sense: How the Mind Creates Mathematics」,出版は1997年とやや古い.もっとも訳者の長谷川眞理子先生のあとがきによると,現在でもこの主題についてはわかりやすいまとめとして有用な本だということだ. ドゥアンヌは,まず動物とヒトに共通の「数を量的に把握できる能力」が
ぼくの新著『天才ガロアの発想力』技術評論社は、な、なんと発売2日で増刷となった。これは、たぶん、ぼくの本で新記録だと思う。まあ、新書や文庫に比べて初版部数が圧倒的に少ないので新記録というと他社の担当編集者に失礼にあたるだろうからあまり騒がないことにするけど、とにかく、ぼくはがんばってくれた編集者に報いるために、1回の増刷を勝ち取ることを目標にしているから、今回は非常に早期に目標を達成してしまったのでほっとしている。(新著の自薦は、『天才ガロアの発想力』出ました! - hiroyukikojimaの日記にて)。 今回も小飼弾さんが、拙著の書評をしてくださった。404 Blog Not Found:群の叡智 - ガロア理論を知るための三作で読める。実に見事な書評である。ぼくの本の特徴が、シャープにまとめられている。 天才の業績を再現するのに天才である必要は必ずしもない。ニュートン力学だって高校
■補数って? 10、100,1000……から、ある数を引いた残りの数のことを(基数の)補数というが、今回の主役は、 それよりも1少ない、いわゆる減基数の補数(注)である。 10進数だと、ぶっちゃけ足して(各桁が)9になる数(の組)だ。 具体例を出すと「9-1=8」だから、8は1の補数である。いうまでもないが、1は8の補数である。 ■まずは「おつり算」 日常生活で最も多い計算は「おつりを計算すること」だろう。 これは補数を使った計算の第一歩にちょうどいい。 速算に 10000-3452=? を計算することは、3452の基数の補数をもとめることだけれど、 まず減基数の補数を求めちゃえばいい。そしてこれは次の方法で反射的にできる。 減基数の補数は基数の補数よりも1だけ少ないということを心に留めておくと、 次の表を覚えておく(というより反射的に出るようにしておく)だけで、 「繰り下がり」なんかに希
私が初めてドラゴン曲線を見たのは、マイケル・クライトンの■ジュラシック・パークだった。 マイクル・クライトン著、「ジュラシック・パーク(上)」、早川文庫より引用 一見したところカクカクした線の集合に過ぎず、何が特別なのかよく分からないだろう。イアン・マルカム(小説の登場人物の一人で数学者)の言うように、「そこに秘められた数学構造への手がかりはほとんど現われて」いないからだ。引用したのは「第一反復」であるが、章が進むにつれ、「分岐線が派生し」「細部がより鮮明に」なっていく。最終的にはこんな感じになる。上のとだいぶ違うように見えるかもしれないが、細部に注目。 ドラゴン曲線の一例 細部をみると全体の形と似ており、要するにフラクタル図形の一種である。一連のドラゴン曲線を比べてみると、比較的簡単なルールで細部が複雑になっていくのがわかった。私のような素人プログラマでも、ドラゴン曲線を描くプログラムを
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