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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (27)

  • 私たちまだ死んでない - 空中キャンプ

    サリンジャーは、「ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー」という、それだけですぐにユダヤ系だとわかってしまう名前を隠すために、ずっと、JDサリンジャーと名乗っていたのだという。かくいう私も、ちょっとだけそれに似た理由で、たかこ BLと名乗っている。BLがなにを略しているのかを、私は口にすることができない。だから私は、行儀のいいタクシー運転手みたいに、余計なことをいわず、どこへいってもできるだけおとなしくしている。 私たちの日での生活はいくぶんきゅうくつだ。いつも、誰かに見つかってしまわないかとそればかりを心配している。三者面談のときには、お父さんにきちんとひげをそってスーツを着てもらうようにおねがいしなければいけなかった。「ちゃんとしたスーツを着てね」と私はいった。「なるべく原理主義者っぽくないやつ」。お父さんは肩をすくめて、「わかってるよ。俺は三者面談にはターバンを巻いていかない主義な

  • 静岡にいったことはありますか - 空中キャンプ

    帰りの電車のなかでおかしな男に絡まれた。きっかけは、閉まりかけのドアにわたしが飛び込んだことだ。むりに入ったので、閉まるときに、ひじのあたりががつんとドアにぶつかった。すると、近くにいた土木作業員風の若い男(坊主頭、ピアス)がわたしに向かって、「迷惑なんだよ、オイ」「オマエみたいな奴がいるとむかつくんだよ」と悪態をつきはじめた。もとはといえばわたしが悪いのだが、ややこしいことになった。 しばらく無視をしていたが、「聞こえてるんだろう、テメー」「オイ、このやろう」などと言い続けるので、しかたなく急いで別の車両に移動した。もう、まいったなあ。ところが、移動したとなりの車両でしばらく立っていると、あろうことか、そいつもわたしを追ってくるではないか。どうしていいかわからない。男は「逃げんじゃねえ、オイ、テメー」と因縁をつけてくる。うーん、ややこしすぎる。しばらくうしろを向いて立っていたが、さすがに

  • 飲み会でとなりに座った女の子 - 空中キャンプ

    エヴァンゲリオン』の監督である庵野秀明さんは、飲み会でとなりに座った女の子に自慢できるアニメを作りたい、という気持ちで『エヴァ』を作ったという。とてもいい話である。わたしはこのエピソードがすきだ。なんだか元気がでてくる。この話を聞いて、「そんな低次元の目標のために表現をするのか」「誰にどうおもわれようと関係ないのではないか」などと反対意見を述べるのは、さみしいことだとわたしはおもう。 それまでの庵野さんは、自分がアニメ制作者であることを恥じ、たまたまどこかの飲み会に参加したときに職業を訊かれたりすると、会社員ですなどとごまかしていた。このままではいけない。友だちに呼ばれた飲み会で、ぐうぜんとなりの席に座った、CLASSYを読んでそうなコンサバOL(26歳)にもちゃんと説明できて、なおかつ「見たらぜったいおもしろいから、今度見てね!」と胸をはっていえるアニメを作る。それが庵野さんの目標だっ

  • 映画『おっぱいバレー』の結末を提案します! - 空中キャンプ

    まもなく公開される、綾瀬はるか主演の映画『おっぱいバレー』。試合に勝ったらおっぱいを見せてあげるという約束で、バレーボール部顧問の綾瀬はるかが中学生をがんばらせるという内容である。とはいえ、わたしたちもいい大人。現実をまっとうに認識する能力がいささかなりとも備わっていれば、もちろん、綾瀬はるかがこの映画で、ほんとうに観客におっぱいを見せるようなことは起こらないと理解できます。あたりまえである。見せるわけがない。 では、われわれをきちんと納得させるエンディングがあるとすればどのようなものなのかについて考えてみたい。わたしはこの映画の原作となる小説を読んでいないので、どのような結末が準備されているのかはわからないのですが、この映画の結末には、ふたつのエンディングが考えられます。すなわち── 試合に勝った生徒たちにおっぱいを見せる 試合に負けたのでおっぱいは見せない のいずれかであり、今回は1の

    映画『おっぱいバレー』の結末を提案します! - 空中キャンプ
  • 会社の人たちが仕事でメールを使ってくれない - 空中キャンプ

    わたしの悩みは、会社の人たちが仕事でメールを使ってくれないことである。けっこう重要な伝達であっても口頭で指示がくることがほとんどだ。よってすべてこちら側でメモを取って復唱しないといけないし、なにより口頭なので記録が残らない。トラブルが発生したさい、言った言わない問題に発展する場合も多く、対策として、伝えられたことを箇条書きにまとめたメールを送り返して記録を残すようにする*1など、ほんらいであれば相手がやるべき仕事をこちらが引き受けるかっこうになってしまって実にめんどうである。これはどうにかならないものかしら。 それでも、伝達があるていど的確であれば、口頭でもかまわない。「やってもらいたいことは3つ。これとこれとこれ。期日はいつまで。よろしく」といったぐあいであれば、まちがいも起こりにくいし、こちらとしてもわかりやすく、すぐに取りかかれる。しかし、なんでも口頭で伝える人というのは、おおむね「

  • 神の子どもたち - 空中キャンプ

    渋谷駅前の交差点、路上に設置されたスピーカーから流れてくるのは、いくぶん抑揚に欠けた男性の声で、その声は「キリストを呼び求める人は救われます」と何度も繰り返していた。たくさんの通行人が行き交う年末の渋谷。強風で、外は寒い。信号待ちをしながら、わたしはふと気がついた。「キリストは罪を赦し、永遠の命を与える」──そう書かれた看板を持って立っていたのは、小学校五年生くらいのちいさな女の子だった。 われわれは親を選択することができない。どのような親のもとに生まれるのかを選び取ることができない。両親は、彼らにとって「善きこと」を子どもに伝えようとするし、そこにはそれぞれの親の価値観が大きく関係してくる。それはときに宗教であったり、ある種の思想であったりもする。親は「善きこと」を子どもに伝える。それはあたりまえのことで、他人があれこれと口をだす問題ではないのだとおもう。 両手でしっかりと看板を支えなが

  • 2008-01-31 - 空中キャンプ

    「明烏」(あけがらす)という落語は、うぶな青年をはじめて遊郭へ連れていくというあらすじで、「エエ、男子と生まれて御婦人のお嫌いな方は御一名もない。御婦人だってそうですな。男がなかった日には、あのくらい詰まらないものはなかろうとおもいますが…」というイントロダクションからはじまる。このように決めつけてしまうと、ブロークバック・マウンテン方面からの反論もあるだろうから、「男子と生まれて御婦人のお嫌いな方は御一名もない」はいささか適切さに欠ける。しかしまあ、そこは大意として、「誰にだって欲望はある、それを肯定しよう」ととらえてほしい。「明烏」は、欲望を積極的に肯定していこうとする物語である。 考えてみれば、「欲望を肯定する」というのは、わりあいにむずかしい問題である。「明烏」がそうであるように、まさしく男女の関係は欲望のやりとりであり、ゆえにその取り扱いがむずかしい。欲望をあからさまにするのはど

  • なんか今、そんな気持ち - 空中キャンプ

    たとえばわたしが、あまりぱっとしないプロ野球選手だったとする。入団からおよそ十年、通算打率は二割二分五厘。守備がそこそこ良かったこと、ベンチのムードメーカー的役割を果たしてきたこともあり、どうにか三十二歳までは現役を続けてこれたが、球団からは、来年以降は守備コーチとして若手を指導してほしいという要請を受けており、今シーズンかぎりで選手としては引退ということになった。 現役最後の年。しかし、なんで俺は二割二分しか打てなかったんだろうと考えると不甲斐ない。どうすれば打率が上がったのか。もっといいプレーができたのではないか。いずれにせよ、もう引退なんだ、いろいろ試してみよう。そうおもったわたしは、ある打席で、左ひじの力を抜きながら、リラックスした体勢でバットを振ってみたところ、ボールは今までに経験したことのないような強烈な打球となって、センターの頭上を軽く越えていった。あっ、こうすればよかったん

  • ウィキペディア - 空中キャンプ

    ウィキペディアにはほんとうにいろいろなことが書いてあって、歴史や科学、地理といった万人に有益な情報もあれば、AV女優一覧のような、いったいこれを誰が作成しているのだとおもうようなものまである。 ウィキペディアは事典であるため、客観的で公平な記述が必要になる。もちろんAV女優であっても、そのルールは同様に適用されることになる。いくらファンであろうとも、「僕はねー、この子のおしりのラインがとってもこう、いやらしくて好きだなあー」などとは書けないのであり、事典である以上、主観を避け、できるだけ有益な情報を記載するべきだという前提に沿って作られているのだ。しかしたとえば、麻美ゆまさんという方の、この情報はどうだ。 「喘ぎ声の大きさには定評がある」 定評がある、というところに、事典としての公平性が感じられる。「喘ぎ声が大きくて、そこが僕はいいとおもう」ではだめなのだ。きっと、アダルトビデオのファンの

  • 2008-04-22 - 空中キャンプ

    きちんと目的を定めないで書店をうろうろしていると、ただ時間ばかりがいたずらにすぎてしまい、気がつくと奥菜恵の告白をたんねんに熟読していたりする。だめである。あらためていうまでもなく、わたしはあと50年もしないうちにころっと死ぬのであり、いずれ不帰の客となる前に、たくさんの良書を読むなどしてできるだけ有意義に時間をすごすべきだということを頭ではわかっているつもりなのだが、どうしてもそれができないのはひとえに意志のひ弱さゆえである。 しかし、奥菜さんはいろいろとたいへんなようで、特に離婚後の恋愛関係のくだりは「おもしろいなあ」とおもいながら読んだ。離婚した後、歳下の恋人ができたこと。しかしその男が浮気ばかりするのでくやしかったこと。電話にでないので不審におもって家の前までいき、そこから電話を鳴らしたら、女もののカチューシャを頭につけた恋人が携帯で話しながら玄関からでてきたこと(=会話を聞かれ

    bhikkhu
    bhikkhu 2008/04/22
    こればっかしは生きてる限り終わりませんな。煩悩の竃で焼いて灰になれ、と。
  • 2008-04-07 - 空中キャンプ

    いぜんわたしの会社に、27歳の青年が勤めていた。明るくて愛想がよく、友達は多かったようである。彼は中途で入社したのだが、1年ていどで辞めていった。当初は期待されていた彼がなぜそのように短期間で退社したのかというと、これは「プロ野球選手が好きすぎてどうしようもなかったため」であった。 別に、どれほどプロ野球選手が好きだからといって、会社を辞めることはない。通常はそのように考えるものである。しかし現実そうはいかなかった。なぜから彼は、小学校3年生のころから、選手のサイン集めに凝りだしてしまい、それが止められなかったのだ。特に外国人選手のサイン収集への情熱はつよく、そのキャリアおよそ20年、彼が収集を開始した年いらい、来日したすべての選手のサインを持っているのがじまんだという。わたしは彼からはじめてその話をきいたとき、口では「ふーん」などと感心をよそおいつつ、内心なんだかいやな感じがしたのだった

  • 新生活の前にこれだけはできるようになっておきたい - 空中キャンプ

    もうすぐ進学、就職といった新生活をスタートさせる方がたくさんいらっしゃるとおもいますが、そういった場合に必要な心がまえをわたしがお伝えしたいとおもいます。社会とはきわめてきびしい場所です。あたらしい環境で生活するわけですから、できるだけ気持ちをひきしめてのぞんだ方がいいわけです。四月から、学生、もしくは社会人としてちゃんとやっていけるよう、わたしの意見に耳を傾けていただきたい。 ちゃんとおふろに入ってほしい。学生さんも社会人さんも、毎日おふろに入ってください。からだに石けんをつけてごしごしと洗ってほしいです。それができないとひどいことになります。へんなにおいがしてくるためです。いつも周囲にへんなにおいをまき散らしながら生きていく。こんなことがあってはいけないとわたしはおもう。というのも、わたしの職場にはひとり「すごくくさい人」がいる。こういう人がこまるのは、面と向かって指摘することがたいへ

    新生活の前にこれだけはできるようになっておきたい - 空中キャンプ
  • アイコ六歳 - 空中キャンプ

    私はマクドナルドべたことがない。音羽から竹橋へと向かういつもの帰り道、目白通りをゆっくりと走る車の窓から、赤地に黄色で大書きされたMの文字を眺めては、あれはいったいどんなべものなんだろうと考えを巡らせる。ガラス越しに見える店内には、座りごこちのわるそうな椅子や、いくぶん安定性に欠けたテーブルがあって、たくさんの子どもたちがハンバーガーをべたり、おまけについてきたプラスチックのおもちゃで遊んだりしている。そんなようすを見ていると、なんだか自分だけが取り残されたような気持ちになってしまう。私にはまだ知らないことがたくさんあるのだ。 私に会った人はみな、ずいぶんしっかりした話し方をする子なんですね、という。それがなんだかちょっと癪にさわる。もっとばかみたいな口調で話すとでもおもっていたのかしら。自分でこんなことをいうのもおかしな話だけれど、私ほど「自分は何者であるか」について考え抜いてき

    アイコ六歳 - 空中キャンプ
  • 2008-01-08 - 空中キャンプ

    気になる異性とおつきあいする前に、ふたりだけじゃなくて、他の友達とかもまじえて、会っておくといいとおもいますね。なんかね、そうおもったの。ですから以下は、わたしからのささやかな提言です。彼氏彼女になる前に、一度でいいから、誰か他の人もまじえて会っておいた方がいい。仲良くなる段階って、もちろんふたりだけで会うでしょう。そこで印象がよかったら、たいてい、もうつき合っちゃうとおもうんですよ。当初のグルーヴ感だけで。 でも、ふたりだけで会っていると、どうしても客観的に見れないのである。気になる異性を客観的に判断するのってむずかしい。そもそも客観的な恋愛とは語義的に矛盾している。ただ、ふたりだけの場合と、それ以外の人もいる場合だと、相手の立ちふるまいから見えてくるものはまったくちがいますからね。それが、相手は「客観的に見てどういう人なのか」を判断する材料になる。最低でも三人いれば、そこにはちいさな社

  • 2007-12-23 - 空中キャンプ

    みなさんお元気ですか、空中キャンプを書いている者です。 さて、みなさんの2007年はいかがだったでしょうか。わたしはさほど変化のない、いささか地味な一年でしたが、それはいいことなのかも知れません。よくもなし、わるくもなし。その、プラマイゼロ感が。もちろん、07年が節目になった方もいらっしゃるでしょうから、そうした方はさらに上昇していっていただきたいです。わたしも、来年はちょっとだけしあわせをつかみたい。しあわせは、なにげに手にいれたいね。 さて先日、07年の映画についてのアンケートをおねがいしました。それらをもとに、今年の映画でいちばんおもしろいのはなんだったのか、ふりかえってみたいとおもいます。あらかじめ、みなさんにおねがいしたアンケートは、このようなフォーマットでした。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 2007年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選

    2007-12-23 - 空中キャンプ
  • 「のはなし」/伊集院光 - 空中キャンプ

    伊集院光のエッセイ80をまとめた新刊。いやー、これはおもしろい。声だして笑ったなー。職のモノ書きでも、ここまで笑える文章を書ける人はなかなかいないのではないだろうか。太田光もラジオで絶賛していましたが、たしかにこれはいい。渋谷パルコではさっそく平積みで売っていて、わたしはパルコでこのを買ったけど、あのおしゃれな空間は伊集院というキャラクターにまったくそぐわなくて実によかった。気がつくと、なんだかあっという間に読了してしまった。 このエッセイは、携帯電話会社がメールマガジンとして配信していた素材をまとめている。「週三回の配信、一度につき400字以上」というのが、連載の条件だったという。考えてみると、これはかなりしんどい。伊集院は、この連載を750回ほど続け、その中の80をよりすぐって一冊のにした。すごいよね、週三回のペースで750回続けるというのは(月に13回と仮定して、58ヶ月=

  • 空中キャンプ - 2007-09-07 とりあえずなにか言ってみる

    いぜん通訳の学校にかよっていたとき、もちろん学期の最後には評価があるんだけれど、評価の項目のひとつに、「自信」(Confidence)という欄があって、これはおもしろいなとおもっていた。どれほど文法的に正しくても、発音がきれいでも、びくびくしながら話していては評価が下がるのである。逆に、時制も構文もめちゃくちゃで、発音もひどいんだけど、いったんディスカッションがはじまると、マーティン・ルーサー・キングばりの演説をぶち上げるタフな女の子とかいて、彼女はけっこう高評価だった。わたしは、どうにか Confidence のスコアを上げようと、すこしテンポを落としてゆったりと話すようにしたり、語尾に I think(…とおもうんです僕) とか I guess(たぶんですけども)とかつけるクセをなくすように工夫していた。このあたり、努力や学習というよりは、ほんらいの性格とか度胸の問題になってきて、いま

  • 2007-08-28 - 空中キャンプ

    常軌を逸した暑さに比例するように、ますます高まる性欲。わたしはこの夏、自分の肉欲を持てあましていた。暑い。性行為がしたい。アイスべたい。アイスをべたり性行為をしたりしたい。それが夏というものだとわたしはおもった。わたしは、名誉や金にはあまり執着しない方だとおもうが、虚栄心と性欲だけは人一倍だ。あきらかに品性下劣なわたしの人間性だが、そんな自分自身を否定したくはない。街には、わたしを挑発するように、いやらしいからだを露出しながら歩きまわる女性たちでいっぱいだ。なんて淫らな女どもだ、とわたしは憤った。抱いてやる、おまえらをまとめて。ブラジャーの肩ひもが見えている。あの下にはきっとおっぱいがあるにちがいない。わたしの経験によれば、女性のブラジャーを外すと、かなりの確率でおっぱいがある。 ところかわって。わたしは友達数人と飲んでいた。ビール数杯ののち、ウーロンハイでいい塩梅。となりには友達の女

  • 空中キャンプ:みんなホストになりたい

    わたしにはわかる。男はみんな、ホストになりたいとおもっていることを。「俺はちがうぞ」とか言わせない。男であれば全員が、やり手のホストみたいに女をたらしこみたいと願っている。そうに決まっているのだ。みなまで言うな。わたしにはわかっているのだからね。いいねえ、女たらし。「女たらし」って、「女をたぶらかして」を短くしたものかしら。たぶらかし。たらし。いずれにせよ語感がいいね。もて遊んでる感じが。わたしもどうにかたらしたくて、この夏も必死にがんばってきたのだけれど、気がつけばもう終戦記念日。夏が半分終わってしまった。もう海にはくらげがでるし、そろそろとんぼが飛びはじめる。ちょっと、もう。夏をどうするの。ここはホストに学ぼうとわたしは考えた。どうすれば女の子をたぶらかせるのかを学ぼうとわたしはおもった。 ホストについて興味ぶかいのは、「素の自分は大したことがない」と冷静に理解していることだ。彼らは自

  • 空中キャンプ - 異能の者、命を削った遊び

    ネット上で公開されているドキュメンタリー映画、「The Great Happiness Space Documentary 2006」を見まして、わりとおもしろかったのでちょっと感想を書きたいです。約75分。大阪ホストクラブで働く青年たちと、客として店を訪れる女性を追ったドキュメンタリー。 作品を見ながら、ホストというのは、異能、異形の集団なのだなあとつくづくおもう。彼らの異能とは、「他人の心を意のままに操る」ことである。おそらく、ホストを目指す青年たちの欲望は、他人の心を自由にできるという全能感を終着地点としている。それはきっと、とてつもない快感だろう。登場するホスト青年たちは、「客に、僕を好きにさせるんですよ。それが不器用な人もいるけれど僕にはかんたん」と、平然とした表情でいう。ホストが嫌われる理由もきっとここにある。利己的な理由から、人の心をあっさりと操作することのできる者は警戒さ