みなさんは「青ヶ島」を知っているだろうか。東京都心から約360km離れ、2024年1月1日時点の人口は156人という「日本一人口の少ない村」だ。 青ヶ島に行くには、八丈島から1日1便9席しかないヘリコプターか、週に5回運航している連絡船を利用する必要がある。その連絡船は、流れの早い黒潮の影響で予定どおりに運航するとは限らない。黒潮に加えて強い西風が吹く冬場の就航率は、5割を切ることも多い。 ただでさえ交通手段が限られているのに、予定通りたどり着ける保証もない。その行きづらさから、青ヶ島は「絶海の孤島」と呼ばれている。 絶海の孤島・青ヶ島(写真=佐々木加絵さん提供) ◆◆◆ 歴史を遡るほど“神秘さ”が増す青ヶ島 「黒潮のまんなかにぽつりと浮かぶこの島が、いつあらわれ人が住むようになったのか、はっきりしたことは分からない」 青ヶ島村の公式ホームページに掲載されている島の歴史は、こんな一文から始
A子さんへのいじめが発覚したのは20年9月、学校が定期的に実施しているアンケートがきっかけだった。A子さんが友人関係で悩んでいると回答し、タブレットのチャット機能に関する悩みも打ち明けている。学校は相手の児童らにいじめを行わないように指導し、経過観察をした上で関係は改善したと判断していたという。 しかしその2カ月後、A子さんは同級生からのいじめを訴える遺書を残して自ら命を絶ってしまったのだ。 「チャットは見当たりません」「ハッカーが入ったんでしょうか」 タブレットのチャット機能がいじめの舞台になったということは、履歴があると遺族は考えた。チャットのパスワードがA子さんも他の児童も全員共通で、他人になりすまして投稿や削除ができる状態だった。 「(いじめに使われたタブレットの)チャットの履歴を見せてほしいと学校にお願いしました。すると、校長先生の方から『チャットは見当たりません』とか、『ハッカ
2022年4月、愛知県東浦町の畑地で全裸の女性遺体が見つかった事件で、名古屋地検はいずれも住所不定、無職の天池由佳理(38)と山下克己(56)の両被告を殺人や死体遺棄などの罪で起訴した。遺体の女性は天池の知人で、同県稲沢市の介護助手・門田典子さん=発見時(40)=と確認された。 「被害者の身許が分かって地元は仰天しました。門田さんは2019年2月に発覚した傷害致死と死体遺棄事件の被告人の1人で、同居していた当時31歳のデリヘル嬢に暴行を加えて死に至らしめ、主犯格の女に命じられて死体遺棄を手伝うなどしたとして起訴された。 亡くなった門田典子さん (フェイスブックより) しかし、検察が事件当日に外傷性脳障害を引き起こすような暴行があったことを立証するのに失敗し、傷害致死については無罪、死体遺棄などの罪で有罪となって、懲役2年、執行猶予4年の判決を言い渡されて釈放されたのです」(名古屋地裁詰め
2月14日、警視庁は2023年3月13日に4歳の次女・美輝(よしき)ちゃんを自宅マンションで殺害した容疑で東京都台東区に住む細谷志保容疑者(37)と夫の健一容疑者(43)の2名を逮捕した。 「亡くなった美輝ちゃんを司法解剖した結果、致死量にあたるエチレングリコールと向精神薬の成分が検出された。エチレングリコールは車の不凍液に含まれる物質で甘みを持ち、生体内で代謝を受けると有害化する。志保容疑者はなんらかの方法で不凍液や向精神薬を美輝ちゃんに飲ませ、殺害したとみられている。夫は妻が美輝ちゃんを殺害しようとしていたのを知りながら通報しなかった」(全国紙記者) 浅草で観光客向けホテルを営む資産家夫婦だった 警察の捜査で細谷夫妻の自宅から車の不凍液が発見されたという。
中国海警局の艦船が今年1月、尖閣諸島周辺を飛行する自衛隊機に対して、退去を求める警告を複数回おこなっていたことがわかった。これは習近平政権の強硬な対外姿勢を反映したものとされ、日本では中国に対する警戒感があらためて高まっている。 いっぽう、中国のより強い軍事的脅威にさらされているのが台湾(中華民国)だ。だが、中華圏の軍事の伝統を引き継ぐ台湾では、「敵」の情勢を徹底して分析することで自国を守らんとする、三国志さながらの「軍師」たちも活動している──。約1年前、私はそんな一人に話を聞いた。 空港をミサイルで破壊して…「台湾の孔明」が語る中国の侵攻シナリオと実際の可能性 記事に登場した人物は、人民解放軍研究を専門とする軍事学者で、しばしば台湾の国防白書の顧問委員にも名を連ねる淡江大学国際事務與戦略研究所助教の林穎佑(Ying Yu, Lin)氏だ。今年1月、台湾総統選の取材のために現地を訪れた私
松竹伸幸氏 ©文藝春秋 松竹氏は、党大会での除名処分の撤回を求め、「再審査請求」を行なっていたが、共産党は党大会で、松竹氏の主張は「処分の理由を覆すものではない」として、「請求却下」を決定した。 「『除名』処分を受けても、『そんな党だから愛想をつかす』という気にはなれませんでした。党に期待し、『とにかく党に戻りたい』という一心で、再審査を求めていたのですが……私の人生は半世紀、共産党とともにありましたが、これで党から排除され、党には二度と戻れません」 「それにしても今回の決定はあまりに『非常識』で、党の『劣化』を示しています」 松竹氏が「却下報告」のウソを指摘 松竹氏の再審査請求に対して、党大会で、副委員長の山下芳生氏が次のような「報告」を行なっている。 「大会幹部団は、(略)松竹氏の『再審査請求書』を党大会として受理し、大会幹部団として再審査を行うこととした。除名処分をされた者が大会に除
遊郭や赤線・青線の跡地、現代の風俗街などを撮り歩く ――紅子さんは「色街写真家」として活動しているそうですが、具体的にどんな写真を撮っているのでしょうか。 紅子 遊郭や赤線(合法売春地域)・青線(非合法売春地域)の跡地、あとは現代の風俗街などの写真を撮り歩いています。 ――その写真をメディアに掲載されたり? 紅子 元々は私のインスタグラムに載せていたのですが、そこから写真を見て頂ける機会が増えて。最近はメディアの方から依頼されて、写真とともに、私の過去の体験を文章にして載せたりしています。あとは個展を開いたり、昨年12月には『紅子の色街探訪記』という写真集も出しました。 紅子さんが撮影した福岡県北九州市小倉にあるストリップ劇場(写真=本人提供) 「性」や「女性の裸」に憧れを抱いた幼少期 ――YouTubeチャンネル「紅子の色街探訪記」も人気ですよね。 紅子 2021年にYouTubeを始め
2020年4月、兵庫県尼崎市のとあるアパートで、女性が室内の金庫に3400万円を残して孤独死した。住所も名前もわからない身元不明の死者「行旅死亡人」として官報に掲載されていた彼女は、いったい何者なのか? ここでは、取材をした共同通信記者、武田惇志さんと伊藤亜衣さんの共著『ある行旅死亡人の物語』(毎日新聞出版)より、一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く) 所持金約3400万円の行旅死亡人 「本籍(国籍)・住所・氏名不明、年齢75歳ぐらい、女性、身長約133cm、中肉、右手指全て欠損、現金34,821,350円 上記の者は、令和2年4月26日午前9時4分、尼崎市長洲東通×丁目×番×号(注:原文では番地など表記)錦江荘2階玄関先にて絶命した状態で発見された。死体検案の結果、令和2年4月上旬頃に死亡。遺体は身元不明のため、尼崎市立弥生ケ丘斎場で火葬に付し、遺骨は同斎場にて保管して
わが国でも水面下において、中国による国家主権の無視や、中国側の警察権力の介入やインテリジェンス活動が、他にも数多くおこなわれていることはほぼ確実だ。 では、仮に現在の状況を放置した場合、日本にはいかなる事態が出来するのか? 答えは欧州にある。話の舞台を移し、現地で進行している壮絶な実態を伝えていこう。 中国当局の嫌がらせの実態 「2022年後半から、中国当局の嫌がらせが一気にエスカレートしました。きっかけはこの年の6月4日、ベルリンで開かれた在外中国人の天安門事件追悼運動を取材したこと。集会中から中年の中国人男性が執拗に私を撮影し、帰路も尾行してきたんです。それから、私の住所などの個人情報や誹謗中傷がネットにばらまかれるようになりました」 2023年5月7日、40代の中国人記者である蘇雨桐は、ベルリン市内のカフェでそう話した。目鼻立ちの整った女性で、聞き取りやすい標準的な中国語を話す。 ベ
コロナ禍の前後から、中国の対外工作や戦狼外交(西側諸国に対して中国外交官が過剰に攻撃的な姿勢を取ること)はいっそう露骨になった。日本国内での公安出先機関の設置工作や、Xで暴言を連発する中国駐大阪総領事の素顔は、すでに過去の記事でも見てきたとおりだ。さらに、彼らはなんと日本の伝統仏教の世界にも浸透工作を仕掛けていた事実が判明した──。12月15日に『戦狼中国の対日工作』(文春新書)を刊行する安田峰俊氏が、実態に迫った。 明代仏教を伝える⽇本の仏教寺院にせまる影 「黄檗宗」という仏教宗派をご存知だろうか。信者数こそ約7.3万人とすくないものの、日本の伝統仏教十三宗の一角を占めており、数百万人以上の信者を抱える大宗派とも対等の権威と社会的信用を持つ。同じ禅宗の大宗派である臨済宗や曹洞宗とは、法統の上でも親類関係にあり関係が良好だ。 黄檗宗の最大の特徴は、宗祖の隠元隆琦(いんげんりゅうき:1592
最初は食わず嫌いしていた作品をほぼ全財産で買い付け ――『ストールンプリンセス』と出合ったときのことを教えていただけますか? 粉川なつみ(以下、粉川) 初めて作品を知ったのは2021年7月、8月くらいでした。そのときは「王道のストーリーだなー」「既視感のあるビジュアルだなー」と感じて、ちゃんと観ていなかったんです。 『ストールンプリンセス :キーウの王女とルスラン』ポスター ですが、それから半年後くらいにウクライナ侵攻が始まって、私にもなにかできることはないかと焦燥して、製作会社の問い合わせフォームへ「大丈夫?」と連絡したことから、すべてが始まりました。 改めて作品を観てみたんです。そうしたら、食わず嫌いしていただけで、アニメーションのクオリティの高さに感動して「これは!」と、当時勤めていた映画配給会社で取り扱いたいと検討したんですが、スケジュールの都合などで難しく……。もともと独立志向だ
ロシアによるウクライナ侵攻(以後、ウクライナ戦争と表記)が始まって1年半以上が経過した。その間、戦局も目まぐるしく変化したが、報道で「ゲームチェンジャー」などと取り上げられる兵器も大きく変わっている。 まず、侵攻当初は欧米から供与された対戦車ミサイル、ジャベリンや地対空ミサイル、スティンガーといった、歩兵が携帯できるサイズの兵器への注目度が高まった。次にトルコ製ドローンのバイラクタルTB2が注目を浴びた。その後も高機動ロケット砲システムHIMARS(ハイマース)、ドイツ製戦車レオパルト2、イギリスの巡航ミサイルストーム・シャドウ、最近では長射程の地対地ミサイルATACMS(エイタックムス)が注目を集めている。
先日、観光ビザを使って3年半ぶりに中国に行ってきました。中国は厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ政策」を経て、さまざまなITツールが活用されるようになり、“中国人にとっては”より便利になったんです。しかし、外国人観光客にとっては不便になったと感じました。 キャッシュレス化が進みすぎて街からATMや両替施設が激減 例えば、コロナ禍以降、中国で急速にキャッシュレス化が進んだことで、街からATMや、日本円を人民元にする銀行の支店や両替施設が減っていました。3年半ぶりの中国散策だったのに、街歩きでも不便さを感じました。 また、コロナ前は外国人観光客も利用できたシェアサイクル。中国で銀行口座を開設してオンライン決済サービスと紐づければ、観光客もシェアサイクルを利用できたのに、コロナ禍の3年間で銀行口座が凍結されてしまい、決済できなくなって、利用できなくなっていました。コロナ前は僕自身、中国国内で問題な
ギネスに表彰されたジャニー氏 こう語るのは、写真の少女、「今では立派な高齢者」と笑う日系アメリカ人二世のフランシス・ナカムラさん(83)だ。 「でも、ジャニーさんのお父さん、諦道(たいどう)さんのことは憶えていますよ」 高野山真言宗の僧侶だった諦道は、戦前の1924年に渡米し、米國別院の住職を務めた。また私生活では、滞米中に妻、江以との間にジャニーを含む3人の子に恵まれた。喜多川一家は1933年に日本に帰国したが、諦道の跡を継いだのがフランシスさんの父、高橋成通だった。 「1960年に、父と日本旅行した時でした。大阪の繁華街の小路に甘味処のような小さなお店があって、そこに諦道さんがいらしたんです。ご自分で善哉を作って出してくれたので、私はごく普通の店主かと思ったの。後で父から、あの方が前住職だったと聞いて驚いたくらい、お坊さんには珍しいフレンドリーな態度が印象的でした」 事実、諦道は気さく
ジャージが制服の中国で、“JK制服”が人気に 中国における「JK制服」は、インターネットやソーシャルメディアの普及と共に、日本アニメやAKB48、日本の青春映画等に触れた若年層の間で流行している。 アジア圏では学校で制服の着用を求められることが珍しくないが、中国においては制服とは通常運動ジャージであり、そのため、アニメや映画で目にする日本の制服が新鮮に映ったのかもしれない。当初はコスプレの一環として受け止められていたが、徐々にサブカルチャーのひとつに成長した。 実際に中高時代、日本で制服を着たことがある人間からすると、中国の「JK制服」は実際の制服よりカラフルなものが多く、現実離れしたものに感じられる。可愛らしさが強調されており、実際の制服というよりは、アニメや漫画の登場人物、あるいはアイドルが着る制服を参考にしているようだ。 アンケート回答者より提供 SNSサイトWeiboでは愛好家が1
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