聖職か、それとも自らの老後か-。埼玉県が2月から職員の退職手当を引き下げるのを前に、3月末で定年退職を迎える教員100人以上が1月末での退職を申し出ている問題で、「駆け込み退職」は同県だけでなく、佐賀県や徳島県など全国に波及していることが分かった。最も多忙な年度末に、個人的なカネが事情の“逃亡”については、現場から「あり得ない」と非難の声が渦巻いている。 埼玉県のある現役公立校教師は怒りをあらわにする。 「毎年1-3月は次年度に引き継ぐ書類の作成などに追われて特に忙しい。普通の感覚を持った先生なら、どんな理由でもこのタイミングでは辞めない。あり得ないことだ」 関係者によると、駆け込み退職を申し出た教員は計110人で、県採用が89人、さいたま市の採用が21人。学級担任は県と市で計30人いた。県には教頭4人も含まれている。 “逃亡”を目の当たりにした別の現役教師も「音楽の先生がイベント