ドナルド・キーンさんと同じアメリカ・ニューヨーク出身の日本文学研究者で晩年に交流を重ねていた、国文学研究資料館館長のロバート・キャンベルさんは、キーンさんが亡くなったことについて「世代や立つ土俵は違いましたが、どこかで戦友のような気持ちがありました。去年のクリスマスの直前に入院していた病室を訪ねてお目にかかったのが最後でした。もう一度、元気な姿を見られるんじゃないかと思っていたやさきのことで驚きました」と心境を語りました。 そのうえで、キーンさんが日本文学研究者として果たした役割については「終戦直後の荒廃した日本に降り立ち、その時代の現状だけでなく、江戸時代の文楽や能などの芸能にもさかのぼって日本人の精神文化を見いだし、刺しゅうを編むような丁寧さで優れた翻訳を積み上げてきました。国際社会の中で日本が地位を築いていなかった時代に、戦前・戦中の悲しい敵対関係を超えて普遍的な日本人の精神文化を西