「途中から駒の数は数えていました。何度も持将棋を打診しようとは思いましたが、長谷部さんのほうが駒数が多いので、待っていました。△1七香を打たれて、一度記録係に時間を止めてもらい打診すると、お互いの合意で持将棋になりました。改めて振り返り、客観的にみると、相当に珍しい形ですよね」(阿部六段) 「途中の展開としては、こちらが入玉できるかどうか怪しく、まずは入玉を確定させようとしていました(長谷部玉が入玉したのは202手目)。もちろん24点法なのはわかっていましたが、先輩の阿部さんが(持将棋成立を)言い出さなかったので『棋戦によっては27点法があったかな』と疑心暗鬼になってしまいました。後日に別の先輩から『駒が多いほうからいうものだよ』と教えてもらいました。普段の将棋と異なり点数を取りに行くのは、見ている側なら面白いですが、実際に指すのは大変です。持将棋模様の指し方を練習はしませんからね(笑)」