沖縄県の久米島で、少なくとも30匹以上のウミガメが血を流してひん死の状態で見つかりました。関係者によりますと、漁業者が「網にからまり、しかたなく刺してしまった」という趣旨の話をしているということで、町や警察などが詳しく調べています。 ウミガメの保護活動などをしている「久米島ウミガメ館」によりますと、14日昼すぎ、久米島の沖合およそ50メートルの潮が引いた海で、少なくとも30匹以上のアオウミガメが、漁で使う網のそばで動けなくなっているのが確認されました。 ウミガメの首の付け根などには鋭利な刃物のようなもので刺された痕があり、いずれも血を流して呼吸をするのがやっとのひん死の状態だったということです。 15日昼すぎに、町の職員などが改めて現場を確認した際には死骸などは見つからず、多くは沖合に流されたとみられ「久米島ウミガメ館」は、14日持ち帰った死骸から死因を調べることにしています。 また関係者
繁殖力が極めて高く特定外来生物に指定されている南米原産の「アルゼンチンアリ」が、大阪空港で、大量に繁殖していることが空港の運営会社などの調査で分かりました。環境省などによりますと、特定外来生物のアリの大量繁殖が国内の空港で確認されたのは初めてで、専門家は「電子機器やケーブルなどに入り込み異常を起こすおそれがある」として、早急に対策を取るよう指摘しています。 大阪空港の運営会社や伊丹市などによりますと、大阪空港の敷地内で見つかったのは、特定外来生物に指定されている体長が2.5ミリほどの南米原産の「アルゼンチンアリ」です。 先月29日に空港の西側の10ヘクタール余りの敷地で調査を行ったところ、ほぼ全域で見つかり、倉庫などの施設の中でも多数の個体が確認されました。 多い場合、数万を超える個体がいるとされる巣が多数確認され、すでに数年にわたって繁殖していると見られるということです。 環境省などによ
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どうしても昆虫が苦手だという人は多いだろう。だが、好む好まないにかかわらず、昆虫は地球が円滑な生態系を築く上でなくてはならない存在だ。 今、世界中で昆虫が激減しているそうだ。『PNAS』(1月12日付)の特集に寄せられた一連の研究では、50名以上の専門家によって世界に生息する昆虫の数がまとめられている。 それによると、現在の傾向がこのまま続けば、今後20年で昆虫の3分の1が消えてしまう恐れあるという。
北海道の小型の風力発電所で、絶滅危惧種のオジロワシが回転する風車に衝突する瞬間が撮影されました。小型の風力発電所の建設計画は全国に7000か所以上で認定されるなど、今後大幅に増えることが予想され、専門家は貴重な鳥への影響を評価すべきだと指摘しています。 徳島大学の研究グループは、北海道苫前町にある出力が20キロワットより小さい小型の風力発電所で調査したところ、絶滅危惧種のオジロワシが回転する風車に衝突する瞬間が撮影されました。 オジロワシは右側の翼の骨が砕け、道内の施設で保護されたということです。 小型の風力発電所の建設計画は全国でおよそ7500件認定されるなど、今後大幅に増加することが予想され、グループではワシやタカなどの貴重な鳥への影響を評価すべきだとしています。 調査を行った徳島大学の河口洋一准教授は「小型の風力発電所でのバードストライクはあると思われていたが実態はよく分かっておらず
地球内部の過酷な環境の中に微生物の巨大な生物圏が広がっているとする報告を、世界の研究者が参加する国際プロジェクトがまとめました。岩石をエネルギー源とする微生物も見つかっているということです。 この中には、海底の熱水が噴き出す120度を超える環境でも生息できる微生物や、岩石をエネルギー源とする微生物などもいて、地上とは大きく異なる過酷な環境で独自の進化を遂げていました。 しかも、地球内部で生物が存在しうる領域は23億立方キロメートルと海の体積の2倍におよび、この中に、地球全体の微生物の70%が存在すると考えられるということです。 これらの研究成果は、世界のおよそ50か国の研究者が参加する国際プロジェクト「ディープ・カーボン・オブザーバトリー」の10年間の取り組みによって明らかになりました。 プロジェクトに参加している海洋研究開発機構の稲垣史生上席研究員は「地球内部は陸・海に次ぐ第三の生物圏と
チェルノブイリで暮らすハイイロオオカミのうち、どの程度が放射線の影響を受けているかははっきりしない。一方で個体数は増加し汚染地域から離れるオオカミもいる。こうしたオオカミがほかの地域のオオカミに与える影響が、新たな問題として浮かび上がっている。(PHOTOGRAPH BY SERGIO PITAMITZ, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 原子力事故が起きたウクライナ北部、チェルノブイリ原子力発電所。事故が起きた1986年、一帯は放射能汚染が広がり、人は住めなくなった。しかし、野生動物にとってチェルノブイリは、今も昔も自由に移動できる場所のままだ。 チェルノブイリの立入禁止区域内には、ハイイロオオカミなどの大型動物が数多くいることが複数の研究でわかっている。汚染区域は米国のロードアイランド州と同じくらいの面積(日本で言えば滋賀県ほど)で、人間の居住は認められていな
ヨーロッパウナギは絶滅の危機にさらされている。違法薬物などによる水質汚染も原因のひとつだ。(PHOTOGRAPH BY WIL MEINDERTS, BUITEN-BEELD/MINDEN PICTURES/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 絶滅危惧種のウナギがコカイン中毒になっているかもしれない。2018年6月に学術誌「Science of the Total Environment」に発表された論文で、その可能性が明らかになった。(参考記事:「ウナギ大海原の旅、衛星タグで初めて追跡」) 社会は違法薬物の問題に取り組み続けているが、下水とともに川や海に流れ込んだ薬物がほかの種に及ぼす影響はよくわかっていない。(参考記事:「麻薬密売で中米の熱帯雨林に深刻な危機」) そこで、科学者たちは研究のため、ヨーロッパウナギを50日間、川に含まれている程度の微量のコカインにさ
当サイトで紹介しているプレスリリースの多くは、単に論文による最新の実験や分析等の成果報告に過ぎませんので、ご注意ください。 詳細 【概要】小笠原諸島の森林では、落葉の下におびただしい数のワラジムシ類とヨコエビ類が住み、土壌動物―森の分解者として重要な働きをしていました。ところが 1980 年代以降、父島全域と母島の広い範囲でこれらの土壌動物が、忽然と姿を消してしまいました。その原因はずっと謎でしたが、東北大学大学院生命科学研究科の篠部将太朗氏(修士課程 1 年)らは、日本森林技術協会、自然環境研究センターと共同で、この奇妙な土壌動物の「集団失踪事件」の犯人が、80 年代初めに小笠原に侵入した外来生物―陸生ヒモムシの 1 種であることを突き止めました(図 1)。 実験の結果、この陸生ヒモムシは、ワラジムシ類、ヨコエビ類、クモや昆虫など節足動物を広く捕食することがわかりました。母島の調査から、
チリのプエルトモントでオゴノリをとる人たち(2010年12月7日撮影、資料写真)。(c)AFP/ARIEL MARINKOVIC 【7月18日 AFP】米国で外来種と見なされている日本渡来の海藻「オゴノリ」が、地球温暖化などの影響で荒れ果てた脆弱(ぜいじゃく)な沿岸海域の回復に重要な役割を果たしていることが分かった。米国の研究者らが17日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に調査結果を発表した。「外来種は悪」と決めつける見方に一石を投じる内容となっている。 論文によると、北大西洋(North Atlantic)沿海の多くの干潟や河口では、温暖化や汚染、病気や過剰採取が原因で固有の藻類やカキ礁が「著しく減少」している。調査を行った米ノースカロライナ(North Carolina)州では、歴史上みられてきた水準に比べ藻類が約97%、カキ礁が90%、塩沼が12%失われているという。 こうした干潟な
アフリカの草原を毎年、大移動するヌーの群れ。その大量溺死が、タンザニアとケニアを隔てるマラ川の貴重な栄養源になっていることが判明、学術誌「米国科学アカデミー紀要」に発表された。 大移動の意外な脅威 ヌーは群れをなし、タンザニアとケニアにまたがるサバンナを、巨大な円を描くようにして移動する。その数は100万頭以上、距離は1600キロに達し、行く手にはワニやライオンといった捕食者たちが待ち構えている。(参考記事:「動物大図鑑 ヌー」) しかし、陸上を移動するヌーにとって、意外にも大きな脅威となっているのが溺死。大挙してマラ川を渡る際、多くが流れにさらわれて命を落とすのだ。 毎年、100万頭以上のヌーが円を描くように東アフリカの草原を大移動する。その際、数千頭のヌーがマラ川を渡りきれずに命を落とす。(PHOTOGRAPH BY NORBERT WU, MINDEN PICTURES, NATIO
レジ袋の上にのせられたガの幼虫。スペイン科学研究高等会議が公開(2017年4月17日公開)。(c)AFP/CSIC /CESAR HERNANDEZ 【4月25日 AFP】ふだんは釣り餌として養殖されているガの幼虫が、耐久性の高いプラスチックを食べることを発見したとの研究論文が24日、発表された。世界的な問題となっているレジ袋などのプラスチックごみによる環境問題への対策に、この幼虫が一助となる可能性があるという。 論文は、米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に掲載された。共同執筆者の英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のパオロ・ボンベーリ(Paolo Bombelli)教授は、「今回の発見は、ごみ処理場や海洋に蓄積しているポリエチレン製のプラスチックごみ除去に寄与する重要な手段となる可能性がある」としている。 レジ袋などに使われる
エクアドルで見つかった新種のカエル。長らく近親種のPristimantis ornatissimusと混同されてきたが、模様が異なっている。(PHOTOGRAPH BY JAIME CULEBRAS) エクアドルでカエルの新種が見つかった。しかし、すでに絶滅の危機に瀕している可能性が高い。 この新種は、長いこと近親種のPristimantis ornatissimusと混同されてきた。黄色と黒の体が特徴的な、よく知られたカエルだ。 新種のカエルを発見したのは、エクアドルのキトにあるサン・フランシスコ・デ・キト大学の進化生物学者フアン・マヌエル・グアヤサミン氏のチームだ。実は、このチームは新種を探していたわけではなく、既知の種を詳しく調べようとしていただけだった。 しかし、研究チームはあることに気づいた。北部の海岸地域チョコにすむカエルとアンデス山脈のふもとのカエルでは、体の模様に思わぬ違い
世界各地でサンゴを食い荒らし、大きな被害を与えている有害なオニヒトデについて、日本とオーストラリアで遺伝情報を解読したところ、ほぼ一致することが沖縄の大学などの研究でわかり、研究グループは、船のバラスト水など人為的な原因で、世界各地に広がっている可能性もあると指摘しています。 沖縄科学技術大学院大学などの国際共同研究グループが、日本とオーストラリアで捕獲したそれぞれのオニヒトデの遺伝情報を解読したところ、98.8%が同じでほぼ一致したということです。 一般に、多くの生き物は、生息地域が違えば遺伝情報も変わることから、研究グループは、有害なオニヒトデが船のバラスト水など人為的な原因で世界各地に広がっている可能性もあると指摘しています。 沖縄科学技術大学院大学の佐藤矩行教授は、「人の手が介在しなければ起きえないことが起きている。人間によって有害な生き物が各地に広がることは避けなければならず、さ
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